文化審議会は17日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に新たに4人を認定するよう文部科学相に答申した。対象となったのは、長唄鳴物の笛奏者・藤舎秀蓬さん(79)、清元節浄瑠璃の清元美寿太夫さん(83)、漆器装飾技法「蒟醬」の藤田正堂さん(67)、および金づちや木づちで金属を打ち成形する「鍛金」の三好正豊さん(75)の4氏。いずれも各分野で長年にわたり第一人者として活躍し、伝統技術の継承と発展に貢献してきた。
藤舎秀蓬さん:長唄鳴物の笛奏者
藤舎秀蓬さんは東京都新宿区在住の79歳。長唄の鳴物(お囃子)のうち、特に笛の演奏で高い評価を得てきた。長唄は三味線音楽の一種で、歌舞伎の伴奏音楽としても知られる。藤舎さんは数多くの舞台や録音でその技量を披露し、後進の指導にも力を注いでいる。
清元美寿太夫さん:清元節浄瑠璃の名手
清元美寿太夫さんは東京都中央区在住の83歳。清元節は江戸時代中期に確立された浄瑠璃の一派で、優雅で格調高い節回しが特徴。美寿太夫さんはその芸術性の高さから、人間国宝にふさわしいと認められた。
藤田正堂さん:蒟醬の技を継ぐ
藤田正堂さんは青森県弘前市在住の67歳。蒟醬は漆器に文様を彫り、色漆を填入して研ぎ出す高度な装飾技法。藤田さんは伝統的な技法を守りつつ、現代的な表現にも挑戦している。
三好正豊さん:鍛金の達人
三好正豊さんは大阪府吹田市在住の75歳。鍛金は金属を熱して槌で打ち、成形する技法で、茶道具や花器などの作品を手がける。三好さんはその卓越した技術で、鍛金分野では3人目の人間国宝となる。
人間国宝は109人に
今回の答申がそのまま認定されれば、人間国宝は109人となる。また、文化審議会は既に指定されている重要無形文化財の保持者団体構成員として、伝統歌舞伎保存会(東京都千代田区)の10人、伝統組踊保存会(沖縄県浦添市)の9人などの追加認定も求めた。これにより、歌舞伎や組踊の分野でも、後継者育成と伝統維持の取り組みが一層強化される見通しだ。



