歴史を読むには知識より知性が必要 加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』書評
歴史を読むには知識より知性が必要 加藤陽子著書評

内田樹氏(神戸女学院大学名誉教授、凱風館館長)が、加藤陽子氏の著書『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)の書評を寄せている。

東大教授による中高生向け講義録

本書は、東京大学の歴史学の教授が中高生20人を対象に5日間で日清戦争から太平洋戦争までを通覧した講義ノートである。内田氏は一読して深く印象に残った点として、歴史を読むうえで必要なのは知識よりもむしろ知性であるという著者の信念を挙げている。

史料から推論する重要性

著者が生徒たちに示すのは「知識」でも「史観」でもなく、個人の書簡、報告書、日記、地図、統計数値といった生々しい「史料」である。生徒たちはそれらが何を意味するのか推論することを求められる。

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内田氏は、事後的には愚かしく邪悪に見える歴史的選択も、リアルタイムの主観からは合理的で倫理的に映ることがあると指摘。どのような理不尽なふるまいにも主観的には合理性があると述べている。

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