「ラピュタの島」として知られる友ヶ島は、かつてはリゾート地として栄え、年間10万人が訪れていた。しかし、その後衰退し、現在は再び人気を集めている。その背景には、時代とともに変わりゆく島の姿があった。
リゾート地から廃墟の島へ
友ヶ島は、明治時代には軍事要塞として建設され、昭和にはリゾート計画が進められた。しかし、その計画は頓挫し、平成に入ると廃墟化が進んだ。現在は、その廃墟群が「ラピュタ」のような世界観を持つとして、SNSで話題になっている。
取材中、筆者は、島を訪れる人々の目的がそれぞれ異なることに気づいた。地元の釣り人、修験道の歴史を訪ねる男性、SNSを見て車で2時間かけてやってきた20代の男性2人組など、その目的はさまざまだ。
コスプレ開放とアニメ聖地化
島では2020年11月から、民間団体「マジックアワーカフェ」が主導する「和歌山コスプレ開放市」が開催されている。和歌山市も撮影マナーやルールを公式に周知するなど、寛容な姿勢を見せており、コスプレイヤーが集う島としても定着しつつある。関西国際空港が近いこともあり、インバウンド客の増加も期待されている。
さらに、2026年7月22日には、友ヶ島も舞台のひとつである人気漫画・アニメ『サマータイムレンダ』の実写映画化が発表された。撮影がこの島で行われるかはまだ不明だが、映画化を機に訪れる人が増えることは間違いないだろう。
自然が包み込む時代の終わり
筆者は、廃墟を通して明治から令和までの時代の空気感を感じ取ることができた。どの廃墟も時代の終わりの象徴であり、それを緑が包み込んでいく様は、自然がその時代を生きた人々を労わっているように思えた。
雨の友ヶ島は幻想的だった。次に訪れるときには、どんな友ヶ島に出会えるのだろうか。



