テレビアニメ『魔法騎士レイアース』(毎週水曜 後11:45、テレビ朝日系“IMAnimation W”枠)に鳳凰寺風役で出演する高橋李依が、初回収録で自身の中にあった“正解”を一度壊す経験をしたことを明かした。第1話は7日に放送され、連続2クールで第2話は14日に放送される。
初回収録で「そんなにダメだったんだ」
第1話のアフレコについて、高橋は「まずテストをやったあとに『ラステス(本番前の最後のテスト)をやります』と言われた」と振り返る。その際、「そんなにダメだったんだ」と焦ったといい、「ラステスが必要なくらい、1回目のテストで演じた私たちでは、皆さんにお届けするレベルに達していないんだと、ハッとさせられてしまって」と語った。
オーディションに向けて多くの練習を重ね、「こうなんじゃないか」というものを自分の中に持っていったが、テストでダメだったため、「一度、自分が『そうだ』と思ってしまっているものを壊さなければいけないと思いました」と話す。
最初の演技の課題については、「それまでは、ただ画に声を当てているだけの状態だったのかもしれません。人と会話をして、光さんと海さんの中にいる風ちゃんになるのではなく、私は鳳凰寺風という人間だけを見ていたのかもしれない」と分析。テスト後には「このままでは単独行動になってしまう」と感じたといい、「風ちゃんには軸があって、どんな世界に行っても風ちゃんであることは変わらないと思います。でも、3人の中で今どんな状態にいるのかということは、アフレコをして知りました」と明かした。
会話の中で「どこまでかみ合わずに存在できるか」
風の役作りでのディレクションについては、「おっとりしているところや不思議な雰囲気をベースにしつつ、『人とずれた感じを出してみてほしい』というものでした」と説明。「最初に演じたテイクから、『もう少しずらしてみて』『もっとずらすとどうなる?』という方向に進んでいって、会話の中で、どこまでかみ合わずに存在できるかというところを、オーディションでは聞いていただいたのだと思います」と振り返る。
その上で、「常にずれているということではなく、会話が成立しているときももちろんありますし、彼女の中では理論立っている会話なんです。そういった部分の采配は、かなり任せていただけていると感じました」と語った。
光や海との距離感については、「『仲が良すぎる』と言われたときに、どういう視線を向けると仲が良く聞こえてしまうのか、というところに向き合いました」と説明。「風ちゃんは最初のシーンで、『どうしたんですの?』と相手の様子をうかがったりするシーンが多いんです。でも、そこに近しさが出てしまっていた」とし、「あくまでも初対面で、それぞれの生き方がある人たちが、たまたま今、同じ空間にいる。そのときにかける言葉の距離感は、絶妙なバランスだと思いました」と語った。
“申し訳なさ”だけで演じてはいけない
平成版については、大久保瑠美から「平成版には、こういうアニオリ(アニメオリジナル)もあったんだよ」と教えてもらったときに「すごくおもしろいと思いました」とし、「これを幼少期や、自分の人格形成にとって大事な時期に見られた人たちが、うらやましいな、と。まず、正直に『魔法騎士レイアース』に、もっと早く出会いたかったという気持ちが生まれました」と明かす。
一方で、「当時のキャストさんの声で聞きたかったという気持ちも、確かに湧いてきます」としつつ、「だからこそ、『申し訳なさ』だけでここにいてはいけないと思ったんです。逆だったらどうだろう、と考えた時に、自分がもし平成版に関わっていた人間だったら、申し訳なさだけで『魔法騎士レイアース』に関わってほしくないと思うんです」と語る。
「当時の皆さんも見ていたであろう原作に、私たちもきちんと軸足を置く。見ている方向が原作であれば、迷うことはないと思いました。謙虚に、誠実に、奇をてらわず、しっかりと向き合う。この作品の名前とともに生きる人間として、きちんと歩んでいきたいという感覚になりました」と話した。
CLAMP作品の「美しい沼」へ
高橋は、アフレコ中にほかのCLAMP作品をどの順番で履修したらいいのかを佐倉綾音と大久保瑠美に聞いたことがあるといい、「『今見ると、ごっちゃになるかも』と言っていただいたのが印象に残っています。一度、この『魔法騎士レイアース』を見切ったあとに、新しくいろいろな作品を選んでいこうと思っています」と語る。
佐倉は「CLAMP作品はスターシステム(同じ、またはよく似たキャラクターが、別作品で異なる設定や役柄として登場する手法)になっているので、作品全体の世界観をいったんつかまないと、何が起こっているのか分からないこともあります。最大限CLAMPワールドを楽しんでもらうためには、いろいろ履修したあとに『ツバサ・クロニクル』を見てほしい、という話を熱くしたのを覚えています」とコメント。高橋は「先人たちがいい順番を見つけてくださっているので、そのとおりに歩きたいなと思っています」と応じた。
佐倉は「『魔法騎士レイアース』は入り口としてかなりいいと思います。私たちがCLAMPファンな分、高橋さんにいつも肩身の狭い思いをさせてしまっているんじゃないかとも思うんですけど、すごくまっすぐに作品やCLAMP先生の世界観に向き合おうとしてくれていて、助かっています」と語る。
高橋は「お2人が、紅茶のすごくおいしいところを一滴に凝縮したような説明をいつもしてくださるので、『それはおもしろそう』と思うんです。せっかく今、『魔法騎士レイアース』をやらせていただくことができたので、この美しい沼への道を歩いていきたいと思っています」と話した。
それぞれのタイミングで「再生ボタン」を
最後に視聴者へのメッセージとして、高橋は「新たな令和という時代のアニメがオンエアされる今は、配信も多く、それぞれが自分のタイミングで作品を楽しめる世の中になってきていると思います。お子さんもそうですし、たくさんの世代の方に、人生の中で好きなタイミングに再生ボタンを押してもらえたらと思っています」と語った。
「ご自身の心のタイミングで『ちょっと見てみようかな』と思ったときでも、評判を聞いてからでもいいですし、『知識欲として履修してみたい』という方でもいい。そういう『魔法騎士レイアース』をここに置いておくので、タイミングが整った方がいらっしゃったら、ぜひ思い出していただけるとうれしいです」と締めくくった。