吉村昭没後20年、三鷹市が多彩な記念事業を展開
数多くの記録文学や歴史小説を世に送り出した作家、吉村昭さん(1927~2006年)の没後20年を迎える今年、自宅のあった東京都三鷹市が記念事業を計画している。展示や作品の舞台を巡る企画を通じて、作家の足跡をたどり、その文学世界を広く紹介する。
展示会と太宰治賞受賞60年の節目
三鷹市は7月23日から来年1月11日まで、三鷹市吉村昭書斎(井の頭3)で展示「没後20年・太宰治賞受賞60年記念 三鷹の作家・吉村昭と田野畑村」(仮称)を開催する。この展示では、市に縁の深い文豪・太宰治の名を冠した賞に吉村さんが選ばれてから60年となる節目にもスポットを当てる。貴重な直筆資料や関連品を展示し、作家の創作活動の一端を明らかにする。
作品の舞台・岩手県田野畑村への訪問事業
さらに、太宰治賞受賞作「星への旅」の舞台となった岩手県田野畑村への訪問事業も実施される。公募で選ばれた市民ら20人が9月26日から27日にかけて、ゆかりの地を巡る予定だ。文学碑など作品にまつわる場所を訪れ、吉村文学の源泉に触れる貴重な機会となる。
生誕100年へ向けた特別展の準備も進行
来年は吉村さん生誕100年となることから、三鷹市は特別展に向けた準備を着々と進めている。吉村さんの生前の取材関連地域や、妻の作家・津村節子さんの故郷である福井県を中心に直筆資料の調査を実施。生誕の地である荒川区とも連携し、より包括的な展示を目指す。
三鷹に根ざした作家の生活と創作
吉村さんは1969年、三鷹市内に自宅を新築。自宅敷地内に建てた書斎を仕事場とし、生前には「この世で一番安らぐ場所」と表現していた。三鷹市はこうした作家と地域の深い結びつきを軸に、没後20年の節目を意義深く彩る事業を展開する。市民や文学ファンにとって、吉村昭の文学を再発見する絶好の機会となりそうだ。



