混雑するコミケ108に臨む3キャリア、ドコモ・KDDI・ソフトバンクがネットワーク対策公開
コミケ108に3キャリアがネットワーク対策公開

コミックマーケット108(コミケ108)に向け、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯3キャリアは大規模な電波対策を実施する。1日に数万人が来場するコミケ108では、SNS投稿や動画視聴・アップロード、電子決済などにより通信トラフィックが極度に集中する。各社は移動基地局車の増強やミリ波を活用した新技術など、今回初めて行う取り組みを中心に適切な通信環境の構築を目指す。

NTTドコモの対策内容

NTTドコモは、来場者のモバイル回線をサポートするため、会場周辺の移動基地局車をさらに増強する。同社は、東側待機列エリアに移動基地局車を4台配置し、西側待機列エリアには移動基地局車を2台、可搬型基地局を2台配置する。東側と西側の両エリアにおいて、前回の(1年前の2025年に開催された)夏のコミケ106と比較して移動基地局車を各1台追加して電波を強化する。同社は、混雑時にインターネットがつながりにくいという来場者の声に対応するため、今回の基地局増強に踏み切った。また、会場内を「5G SA」エリアとして整備する。5G SAサービスの提供により、混雑時でも高速かつ安定した通信を実現し、混雑の緩和を図る。

KDDIの対策内容

KDDIは、イベント対策として初となる「5Gミリ波中継機」を搭載した車載型基地局を導入する。広範囲で高速大容量通信が可能なミリ波の特性を生かし、混雑する屋外待機列での通信環境を向上させる。ミリ波を搭載した車載型基地局1台とミリ波中継機を搭載した車載型基地局2台を連携させて配置し、電波干渉を抑えつつミリ波のエリアを効果的に拡張する。また、ミリ波回線をバックホールとして活用し「CPE」と呼ばれる装置を介してWi-Fiとして利用できる仕組みを試験導入する。これにより、ミリ波に対応していないスマートフォンを所有する来場者でも高速通信を利用できるようにする。

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さらに、KDDIは、5G SAに対応した合計6台の車載型および可搬型基地局を設置する。このうち東側の車載局2台と西側の可搬局1台には、Sub6の2つの周波数帯に対応する無線装置「Dual Band Massive MIMO Unit」を搭載する。同装置は、多数のアンテナ素子によるビームフォーミング技術や、同時に複数の利用者の通信を収容する「Multi-User MIMO」技術を活用し、従来の最大2倍の接続数を確保する。

15日12時30分頃、都内近郊の屋外にて速度測定を実施。ミリ波対応端末と非対応端末を用意して測定した。ミリ波は帯域幅が400mHz幅で、周波数が28GHzであるのに対し、Sub6は帯域幅が100mHz幅で、周波数が3.7GHzとなる。一度測定した結果、ミリ波は下り1.8Gbpsとなり、Sub6は下り270Mbpsを記録した。

ソフトバンクの対策内容

ソフトバンクも、今回初めて行う新技術を用いた電波対策を導入する。同社は、開場前の混雑が予想される都展示場エリアに、ミリ波に対応した移動基地局車と、3.4GHz、3.5GHz、3.9GHzの3つの周波数帯の電波を同時に送ることができる「3 Band Massive MIMO基地局」を搭載した移動基地局車を配備する。3 Band Massive MIMO基地局のコミケでの導入は今回が初めてだ。さらに、ミリ波を固定無線アクセス(FWA)のバックホール回線として利用し、Wi-Fi電波に変換するCPEを初めて導入する。

ソフトバンクは、今回導入するCPEをバックホールとして活用し、おおもとの電波を受信する。同社は、移動基地局車から発射した28GHz帯のミリ波をCPEで受信し、データを変換してWi-Fiとして利用できるようにする。この対策により、ミリ波に非対応の端末を持つユーザーにも安定した「ソフトバンクWi-Fiスポット」を提供する。

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また、西待機列エリアの周辺基地局には3つの周波数帯に対応したアンテナを新設し、通信容量を拡張する。さらに西待機列エリアでは、通常のWi-Fiスポット構築に加えて、電波の飛距離が100m以上あり、広範囲をカバーできる「ハイゲインアンテナ」を活用したWi-Fiサービスを提供する。

同社はまた、5Gネットワークの自動最適化を行い、1分単位で臨時基地局などのパフォーマンスデータを取得してトラフィックを平準化する。同社は、現地で実際に通信測定を行って品質を確認するほか、イベント終了後にはビッグデータを解析して次回以降の対策に生かす方針だ。