米宇宙企業スペースXの大型ロケット「スターシップ」が28日、初めて地球周回軌道に到達し、人工衛星26基を放出した後、太平洋に着水した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の壮大な計画の鍵を握る開発中の宇宙船にとって、大きな節目となった。
打ち上げから軌道到達まで
全長120メートルを超える黒と銀色の巨大な機体は28日早朝、軌道に到達して約10時間にわたり地球を周回することを目指し、米テキサス州にあるスペースXの拠点から打ち上げられた。
ブースター「スーパーヘビー」の分離と着水に成功した後、上段のスターシップは軌道に到達した。ただ、途中でエンジンに問題が発生し、ミッションを継続できるか一時懸念が生じた。
衛星放出と太平洋への着水
打ち上げチームのメンバーがライブ配信で「スターシップが軌道に乗った」と告げると、集まったスペースXのスタッフから歓声が上がった。その数分後、スターシップは次世代の「スターリンク」衛星の放出を開始した。スターリンクは巨大な衛星インターネット網を構成しており、現在は上場企業となったスペースXにとって主要な収益源となっている。
飛行開始からわずか約3時間後、スペースXの技術者らはスターシップを軌道から離脱させ、太平洋に着水させることを決めた。ライブ配信では、上段の機体が直立した状態で大気圏を急速に降下した後、エンジンが再点火され、減速しながら海面へ降りていく様子が映し出された。
スターシップは垂直姿勢で着水した後、横倒しになるように沈み、その後、大きな爆発に包まれた。
今後の展望と専門家の評価
マスク氏は将来的にスターシップを短時間で繰り返し再利用できるようにし、地面や水面に到達する前にロケットを受け止める設備に着陸させることを目指している。
米ジョージタウン大学安全保障・新興技術センターの上級アナリスト、キャスリーン・カーリー氏はAFPに対し、28日の試験は「大成功」とまでは言えないものの、大きな前進だったと語った。「飛行して軌道に到達したこと自体は成果だが、スペースX自身が設定した基準や目標からすれば、10時間の飛行を達成できず、エンジンにも問題が発生した」と指摘した。