東海道新幹線の安全で正確な運行を支える「新幹線総合指令所」は、新幹線に関する全情報が集まる頭脳的存在だ。室内に足を踏み入れると、まず目を引くのは巨大な総合表示盤。東海道・山陽新幹線を走行する全車両の位置情報が表示され、数十人の指令員が情報をやり取りしている。デスク上のモニターにも様々な情報が映し出される。
指令員の椅子はゲーミングチェアに進化
2010年の取材から16年。指令所の様子はほぼ同じに見えたが、総合表示盤の脇に九州新幹線の走行位置を表示する小型表示盤が設置されていた。2011年の九州新幹線全通により山陽新幹線との直通運転が始まり、その運行情報を表示。JR九州の指令員も常駐し、必要に応じてJR東海やJR西日本の指令員と協議している。
指令員の椅子は最近人気のゲーミングチェアに置き換わった。本来はゲーム用だが、長時間のデスクワークでも疲れにくいことからオフィス用として普及。「指令の仕事は長時間にわたって神経を使います。少しでも快適に仕事ができるように導入しました」(JR東海の担当者)。
通信手段の進化:列車無線から新ツールへ
この16年間、IT技術はめざましく進化。指令所内のIT機器も最新に置き換えが進む。特に変化が著しいのは列車の運転士・車掌との通信手段だ。従来の主役は列車無線だが、新たにグループ通話が可能なアプリを導入。音声はクリアで、複数拠点との同時通話が容易になった。これにより、忘れ物や急病人などの対応も迅速化している。
列車無線は依然として主要な通信手段だが、新ツールはそのサポート役として機能。指令員と乗務員の連絡をより円滑にし、安全性と効率性を高めている。



