JR西日本は16日、新型事業用車「DEC743」の報道公開を実施した。同形式は「DEC743」とされ、2027年春以降に順次導入される予定。新型バラスト散布車の牽引に加え、回送列車の牽引や車両入換作業などでも使用される。
老朽化した国鉄時代の車両を更新
JR西日本によれば、現在使用している機関車や貨車は国鉄時代に製造されたもので、更新時期を迎えている。これを受け、安全性・生産性の向上、環境負荷低減による持続可能な鉄道運行の実現を目的に、新型事業用車と新型バラスト散布車を2027年春以降に導入する。
今回公開されたのは、JR西日本が導入する「DEC743-1」「DEC743-7」「DEC743-8」の3両と、嵯峨野観光鉄道がトロッコ列車の牽引車として導入する「DEC743-1001」の計4両。JR西日本は「DEC743」の一部を嵯峨野観光鉄道の予備機としても使用する予定で、「DEC743-7」と「DEC743-8」は「DEC743-1001」と同様のカラーリングが施されている。
朱色デザインの意図
「DEC743-1」は朱色を基調とし、車体上部に朱色、下部に灰色、中央部に白色の帯を配したデザイン。国鉄時代のDF50形を彷彿とさせ、鉄道ファンの間で話題となっていた。JR西日本車両部車両設計室の伊藤陽一氏は、「朱色は事業用車の色で、地上から見やすく保線社員の視認性も考慮した。一方で朱色一色だと浮いた印象になるため、灰色と白色のラインをアクセントとして入れ、現代的なデザインにアレンジした」と説明。DF50形を意識したことも明かした。
ハイブリッド方式で最新技術を採用
「DEC743」の重量は空車時約55.0トン、最高速度75km/h。ハイブリッド方式の電気式気動車で、ディーゼルエンジンと発電機による電力、バッテリーアシストでモーターを駆動する。従来のDE10形やDD51形と比べ燃費向上が期待され、電車・気動車とのシステム共通化によりメンテナンスや運用効率の改善も見込まれる。
安全性も強化され、前面衝突対策として車体台枠を損傷させない新構造を採用。衝突エネルギーを運転室前部で吸収する。また、運転士が操作不能になった際に自動停止するEB-N装置も搭載。機械部品の削減により運行時やメンテナンス時の安全性も向上する。
導入計画と運用効率の改善
JR西日本は「DEC743」を計8両投入し、別途嵯峨野観光鉄道も「DEC743-1001」を導入。新型バラスト散布車は計12両(4両×3編成)を順次投入する。バラスト輸送時は散布車1編成(4両)の前後に「DEC743」を連結した6両で走行。牽引方式の変更により入換作業が不要となり、運用効率の改善が期待される。
新型事業用車「DEC743」は、外観は国鉄DF50形を思わせるが、内部はハイブリッド方式の最新設計。省エネルギー化や保守性向上を重視し、電車・気動車との技術共通化を図ることで、老朽機関車の置き換えにとどまらず、将来の事業用車のあり方を見据えた形式といえる。



