PPP(ピーピーピー)は6月15日、パチンコホール向けキャッシュレス決済サービス「PPPAY(ピーピーペイ)」の提供準備が完了したと発表した。同サービスは、Visa・Mastercardブランドのデビットカードおよびプリペイドカードを活用し、ホール内のカウンターで決済できる仕組みを提供する。
パチンコ業界のキャッシュレス化に対応
近年、日本社会ではキャッシュレス決済の普及が急速に進み、日常生活のさまざまな場面で現金を持たずに行動する人が増加している。一方、パチンコ・パチスロ業界では、依然として現金を前提とした遊技環境が続いており、社会全体の決済環境との間にギャップが存在していた。また、利用者の利便性向上に加え、インバウンド需要への対応や店舗運営の効率化なども求められる中、同社は安全性と適正利用を両立した新たな決済インフラとして本サービスを開発した。
PPPAYの特徴
PPPAYは、Visa・Mastercardブランドのデビットカード・プリペイドカードを活用し、ホール内のカウンターで決済できるサービスである。「現金を持っていないから遊べない」という従来の課題に対し、安全性を担保しながら、新たな決済手段を提供する。なお、あくまでキャッシュレスで玉・メダルが貸与される仕組みであり、現金チャージではない。これまで現金決済で担っていた部分すべてを代替するものではなく、「必要なときに選べる追加的な決済手段」と位置づけている。
PPPAY利用の流れ
利用にあたっては、本人確認(eKYC)を行った上で、Visa・Mastercardブランドのデビットカードまたはプリペイドカードを登録する。ホール内カウンターで、現金の代わりに登録済みカードを利用して決済を実施する。決済金額に応じて、遊技用の玉・メダルが貸与される。ATMへ行くためにホールを離れる必要がなく、手元に現金がない場合でも遊技を継続できるほか、利用上限の範囲内で計画的に利用できる。
デビットカード・プリペイドカードに対応
パチンコホールでのキャッシュレス化をスタートするにあたり、まずはVisa・Mastercardブランドのデビットカード・プリペイドカードでの対応を予定している。これらは口座残高やチャージ残高の範囲内でのみ利用できるという特徴があり、使い過ぎを防ぎながら利用できる点もメリットのひとつである。またPPPAYは、カード会社による不正利用補償やセキュリティ機能も利用でき、安全性にも配慮されている。
新たな顧客層へのアプローチ
現在、パチンコホールでは現金利用が主流である。一方、社会全体ではキャッシュレス化が進み、「財布に現金をあまり入れていない」というライフスタイルが若年層を中心に一般化しつつある。また、訪日外国人旅行者においても、現金を持たず、カード決済を前提とした消費スタイルが一般的だ。パチンコ業界においてキャッシュレス環境を整備することは、これまで接点を持ちづらかった新たな顧客層へのアプローチにつながる可能性がある。
強固なセキュリティ対策
同サービスでは、eKYCによる本人確認や、3Dセキュアによるカード本人認証、PCI DSS準拠のデータ管理、生体認証、独自認証基盤「RC-Auth」を組み合わせた5つのセキュリティ対策を実装している。本人確認書類と顔認証によるなりすまし防止や、20歳未満の利用防止、カード情報のみでは利用できない本人認証の仕組みを採用。さらに、ID・パスワードに依存しないRC-Authとカード認証、本人確認、アプリ認証を組み合わせた多層的なセキュリティ構造により、仮にカード情報が漏えいした場合でも、本人以外が利用しにくい設計となっている。
依存症対策
パチンコ業界におけるキャッシュレス化には期待が寄せられる一方で、「使い過ぎにつながるのではないか」という懸念の声があることも事実。PPPAYでは、利便性だけでなく、適正利用を前提とした仕組みづくりを重視している。利用上限は1日あたり20,000円、1ヵ月あたり80,000円までに設定し、登録できるカードは本人確認済みの1枚のみとしている。この上限額は、競馬や競輪などの公営競技におけるクレジットカード決済の利用上限である1ヵ月100,000円と比較しても、より厳格な水準としている。また、アプリ上で月間利用額や利用履歴、利用ペースを確認できるほか、相談窓口情報のバナー表示や、家族による申請で利用停止が可能となる仕組みも採用している。
現金化への懸念に対する対策
クレジットカードの現金化への対策として、利用規約上で明確に禁止事項として定めている。加えて、利用状況のモニタリングや不自然な利用パターンの分析、ホール側との連携確認などを通じて不正利用防止を図る。短時間での過度な精算や不自然な利用履歴など、通常利用と異なる動きが確認された場合には、利用停止や調査対応を実施する体制を整えている。
利用者にもホールにも負担の少ない設計
利用者は「手元に現金がない場合の追加的な決済手段」として利用できる。システム利用料5%は発生するものの、ホール側が決済方法をアプリのみに限定しているわけではなく、利用者が必要に応じて選択できる仕組みとなっている。ATMまで移動する手間や現金不足による遊技の中断を避けられる点などを踏まえ、利便性を重視した新たな選択肢として提供する。ホールにとっても、導入負担を抑えた設計を採用している。既存設備との連携を前提とし、大規模設備投資を不要とするほか、ホール負担率0.25%、決済代金は月3回精算とすることで、資金繰りへの影響を抑えた運用を実現する。



