欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会は20日、中国のアリババ集団が運営する海外向けネット通販「アリエクスプレス」に対し、デジタルサービス法(DSA)違反で過去最高となる5億5千万ユーロ(約1022億円)の制裁金を科したと発表した。同時に、10月20日までに改善計画を提出するよう求めた。
違法商品の拡散を放置
日本では「アリエク」の略称で知られるアリエクスプレスは、低価格と豊富な品ぞろえで若い世代を中心に人気を集めている。欧州委員会は2023年と2024年のリスク評価などを調査。その結果、「偽造品や安全性の低いおもちゃ、危険な化粧品など多くの違法商品がサイト上に流通しており、検出されても数週間にわたってオンライン上に残ったままだった」と指摘した。
欧州委は「違法商品の拡散リスクを低減するための効果的な対策を講じていない」と断じた。また、違法な可能性のある商品を審査するスタッフの確保状況や、自社の推奨機能や広告を通じた違法商品の拡散リスク評価も不十分だったと批判。違法商品を販売する店舗が罰則を受けても販売を続けられた事例も確認されたという。
DSAに基づく厳格な規制
EUのデジタルサービス法は、大規模プラットフォームに対し、違法コンテンツや商品の迅速な除去、リスク評価の実施、透明性の確保などを義務付けている。アリエクスプレスは2024年4月にDSAの対象となる超大規模プラットフォームに指定されていた。
欧州委員会のビルクネン上級副委員長(デジタル政策担当)は声明で「アリエクスプレスは違法商品から消費者を守る責任を果たしていない。今回の制裁金は、DSA違反に対する断固たる姿勢を示すものだ」と述べた。
制裁金の額は、アリエクスプレスの全世界での年間売上高に基づいて算出された。EUは今後も同社の改善状況を監視し、改善計画が不十分な場合は追加の罰則を科す可能性がある。



