トヨタ自動車とNTTは、自動運転技術の中核となる人工知能(AI)の開発で連携を強化する。両社は2025年までに実証実験を開始し、2030年までの実用化を目指す。この協業により、交通事故の削減や物流の効率化が期待される。
AI技術の共同開発
両社は、自動運転車の「認知」「判断」「制御」の各プロセスを担うAIシステムを共同開発する。具体的には、NTTが持つ光通信技術とAI処理基盤「NTT R&D」を活用し、トヨタの車両制御技術と連携する。これにより、高精度なセンサーフュージョンやリアルタイムな経路計画が可能になるとしている。
NTTの澤田純社長は「自動運転の実現には、超低遅延で大容量の通信と高度なAI処理が不可欠。トヨタとの協業で、安全で効率的なモビリティ社会を創出したい」と述べている。
実用化へのロードマップ
両社は、2025年までに限定地域での実証実験を開始。2027年には高速道路でのレベル4自動運転(特定条件下での完全自動運転)の実証を目指す。最終的には2030年までに、一般道を含む幅広い環境でのレベル4自動運転の実用化を計画している。
トヨタの豊田章男社長は「自動運転は、交通事故死傷者ゼロを目指すトヨタのビジョンに不可欠。NTTの通信・AI技術と組み合わせることで、より安全で安心なモビリティを提供できる」とコメントした。
業界への影響
自動運転技術を巡っては、テスラやGoogle系Waymoなど海外勢が先行する中、日本の自動車メーカーと通信大手の連携は競争力強化につながるとみられる。また、NTTにとっては、自動車分野への本格参入の足がかりとなる。両社の協業は、国内の自動運転関連産業の活性化にも寄与する可能性がある。
政府は、2030年までに国内でのレベル4自動運転の普及を目標に掲げており、今回の連携はその後押しになると期待される。交通事故削減効果は年間約1万件、物流効率化による経済効果は約5兆円と試算されている。



