トヨタ自動車とNTTは、自動運転技術の開発を加速するため、新会社「モビリティ3.0」を2025年4月に設立すると発表した。両社はこれまで個別に自動運転技術の研究を進めてきたが、新会社ではリソースを統合し、2028年までの実用化を目指す。
新会社の概要と狙い
新会社「モビリティ3.0」は、トヨタが51%、NTTが49%を出資し、資本金は100億円となる。代表取締役社長にはトヨタの自動運転開発責任者である山本健一氏が就任する予定だ。新会社では、トヨタの車両制御技術とNTTの通信・AI技術を融合し、高度な自動運転システムの開発を進める。
両社は、自動運転の実現には車両技術だけでなく、高速・大容量の通信インフラと高度なAI処理が不可欠と判断。特に、NTTが開発する次世代通信技術「IOWN」を活用することで、低遅延で高信頼なデータ伝送を実現し、自動運転の安全性を高める狙いがある。
開発スケジュールと目標
新会社は、まず2026年までに高速道路でのレベル4自動運転(特定条件下での完全自動運転)の実証実験を開始する。その後、2028年までに一般道でのレベル4自動運転を実用化し、2030年には完全自動運転(レベル5)の実現を目指す。
トヨタの豊田章男会長は、「自動運転はモビリティの未来を変える重要な技術。NTTとの協業で、より安全で快適な移動を提供できる」とコメント。NTTの島田明社長も「IOWNの技術を自動運転に応用することで、社会課題の解決に貢献したい」と述べている。
業界への影響と今後の展望
自動運転分野では、米国のグーグル系ウェイモや中国の百度などが先行している。トヨタとNTTの連携は、日本勢の巻き返しの起爆剤となる可能性がある。また、新会社の設立により、部品メーカーやソフトウェア企業など、関連産業への波及効果も期待される。
一方で、自動運転の実用化には、法規制の整備や社会受容性の向上など、技術以外の課題も多い。新会社は、官民連携を強化し、これらの課題解決にも取り組む方針だ。



