テスラの2024年の世界販売台数が前年比1%減の179万台となり、2017年以来7年ぶりに減少した。これを受け、テスラの株価は急落。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の経営戦略に疑問符がついている。
販売減少の背景
販売減少の最大の要因は、中国市場での競争激化だ。中国のEVメーカー、比亜迪(BYD)が低価格モデルを投入し、テスラのシェアを侵食。2024年、BYDのEV販売台数は前年比41%増の約176万台と、テスラに迫る勢いだ。また、欧州では補助金縮小によるEV需要減速が響いた。米国でも高金利が消費者の購入意欲を削いだ。
テスラは2024年、サイバートラックの量産を開始したが、生産遅れや品質問題で販売に貢献できなかった。既存モデルであるモデル3とモデルYの販売も伸び悩んだ。
株価急落と市場の反応
販売台数の減少を受け、テスラの株価は2024年12月に1株当たり約400ドルまで下落。年初来で約30%の下落となった。市場では「テスラの成長神話に陰り」(アナリスト)との声が広がる。
マスクCEOはX(旧ツイッター)で「販売減少は一時的」と述べ、2025年下半期に発売予定の低価格モデルに期待を示した。しかし、投資家の間ではマスク氏の他事業(X、xAI、Neuralink)への注力がテスラの経営に悪影響を及ぼしているとの懸念が強まっている。
今後の見通し
テスラは2025年、エントリーモデル「モデル2」(仮称)の投入を計画。価格は2万5000ドル未満とされ、量販が期待される。また、自動運転タクシー「ロボタクシー」のサービス開始も視野に入れる。だが、BYDをはじめとする中国勢の低価格攻勢はますます激しさを増しており、テスラの優位性は揺らいでいる。
欧州では2025年からEV向け補助金がさらに削減される見通しで、需要環境は厳しさを増す。アナリストからは「テスラは2025年も販売台数が伸び悩む可能性がある」との指摘が出ている。



