パナソニックホールディングス(HD)は、電気自動車(EV)向け電池事業を2025年度中に分社化し、完全子会社とする方針を固めたことが、複数の関係者への取材で明らかになった。成長が見込める同事業の意思決定を迅速化し、競争力を高める狙いがある。
分社化の背景と目的
パナソニックHDの電池事業は、現在、エナジー社として社内カンパニー制で運営されている。しかし、EV市場の急速な拡大に伴い、投資判断や事業運営のスピードが求められるようになった。分社化により、外部からの資金調達や提携が容易になり、成長戦略をより柔軟に実行できると判断した。
関係者によると、新会社はパナソニックHDが100%出資する子会社となる見通し。株式上場の可能性については、現時点では未定としている。パナソニックHDは、2023年度に電池事業で約1兆円の売上高を計上しており、EV向け電池の需要増加を背景に、さらなる拡大を見込んでいる。
業界の競争激化
EV電池市場では、中国のCATL(寧徳時代新能源科技)や韓国のLGエナジーソリューションがシェアを拡大しており、パナソニックHDはテスラ向け供給で強みを持つものの、競争は激化している。分社化により、迅速な意思決定と投資拡大を図り、トップグループに食い込みたい考えだ。
パナソニックHDは、2024年4月に持株会社体制に移行しており、各事業の独立性を高める方針を打ち出している。電池事業の分社化はその一環で、今後も他の事業部門で同様の再編が行われる可能性がある。
今後のスケジュール
分社化の具体的なスケジュールは、2025年度中を目標としており、詳細は今後詰められる。パナソニックHDは、この再編により、電池事業の価値向上とグループ全体の企業価値最大化を目指すとしている。
パナソニックHDの広報担当者は「現時点で決定した事実はない」とコメントしているが、関係者の間では既に具体的な検討が進められているとされる。



