日産、新開発戦略「ファミリー戦略」で開発期間40%短縮へ
日産、新開発戦略「ファミリー戦略」で開発期間40%短縮へ

日産自動車は、複数車種を一つの「ファミリー」として捉え、開発の前提条件を事前に計画する新たな自動車開発プロセス「ファミリー戦略」を発表した。部品種類の約70%削減と開発期間の約40%短縮を見込む。初のファミリー戦略モデルは2028年度中の登場を予定している。

長期化する買い替えサイクルと開発効率化の課題

一般財団法人自動車検査登録情報協会の調査によると、2025年3月末時点の乗用車保有台数(軽自動車を除く)は3,868万275台で、平均車齢は9.44年。33年連続で車齢が高齢化しており、1992年の平均車齢4.53年と比較すると倍以上に伸びている。ユーザーの買い替えサイクルが長期化している実態が浮き彫りになった。

自動車メーカーにとって、買い替えサイクルの長期化は競争力の低下につながる。開発プロセスの効率化に加え、その間に起こるEV化の急速な進展や規制変更などによる顧客ニーズの変化への対応も求められる。中国や新興国メーカーとの開発スピード競争も激化している。

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「個車最適」から「ファミリー企画」へ

従来の日産のクルマ作りは、マザーモデルとなるモデルAを最初に決め、搭載技術を決定する「個車最適」方式だった。そのため部品の流用・共用の検討が難しく、個別投資が増加。ひとつのモデルの変更が他モデルに波及する手戻りも多く発生し、開発コストの増加や開発遅れが販売価格や納車遅れという形でユーザーに影響を及ぼしていた。

ファミリー戦略では、計画段階でファミリー単位の前提条件を決定する「ファミリー企画」を行う。これにより複数車種の前提条件が事前に決まり、手戻りが少なくブレのない開発が可能になるという。例えば、車載スピーカーがモデルAは4個、モデルDは12個の場合、従来はモデルDの開発段階で新たにスペースを確保する必要があったが、ファミリー戦略では12個分のスペースをあらかじめ用意しておくことができる。

開発期間40%短縮と今後の展開

日産の商品事業企画部副本部長の佐々木英王さんは、ファミリー戦略を「より魅力ある商品をより納得できる価格で、よりタイムリーにお客さまに届けるための事業基盤」と説明。「我々は、過去90年にわたってお客さまにお約束してきた価値をしっかり作り続けながら、新しいものを作っていかなければいけません。厳しい経済環境の中で、どういう工夫をしながら日産らしい魅力を作っていくか。そこにチャレンジしたのが、ファミリー戦略です」と述べた。

計画段階に要する時間や労力は増えるものの、最初に共用部分を決めることで部品種類の約70%削減と開発期間の約40%短縮を見込む。ファミリー戦略モデル(モデルA)の初登場は2028年度中を目指し、その後続モデルを随時投入していく予定だ。

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