フジ・メディアHD社長、SBIとの提携協議を自ら提案「感情経済圏でウィンウィン」
フジ・メディアHD社長、SBIとの提携協議を自ら提案

フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の清水賢治社長は26日、SBIグループとのメディア・コンテンツ領域における戦略的資本業務提携に向けた協議・検討開始について、取材に応じた。清水社長は、昨年の株主総会でSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長が米投資ファンド側の取締役候補に名を連ねた経緯に触れながら、今回の提携協議に至った理由を説明した。

清水社長が自ら提案「私のほうから話しました」

FMHは同日、SBIグループと、IP、番組、イベントなどを起点に生まれる共感、信頼、熱狂といった感情を、消費参加、投資、コミュニティ形成などの経済行動につなげる新たな事業モデルの可能性を検討していくと発表した。昨年のFMH株主総会では、米投資ファンド・ダルトン・インベストメンツ側の取締役候補に、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長が名を連ねていた。その後、SBIグループはFMH株を共同保有分を含めて7%超保有する関係となっている。

この経緯を踏まえ、北尾氏側との“雪解け”や関係改善について問われた清水社長は、当時の役員候補とは、その後も「結構お話をしたり、いい関係は築いていっている」と述べた。北尾氏についても、「その後も実は複数回、私はお会いしています。ある節目ごとにはお会いしてお話をするようにしていました」と明かした。

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「ネオメディア構想」への理解深まる

SBIグループが進める「ネオメディア構想」について、清水社長は当初「どういうものかよくわからなかった」としつつ、この1年で構想が進化していると受け止めたという。特に、IPコンテンツにAIやWeb3を掛け合わせる構想、さらに「感情経済圏」と呼ばれる領域について、「私どもが考えているライブエンターテインメント、ファンダムビジネスの形成とか、先日発表しているグループビジョンともかなり近いところが重なるところが増えてきた」と見解を示した。

「今も現在資本関係はありますので、SBIさんが考えているネオメディアの中で、我々がご一緒できることは、一緒にやった方がお互いにとってウィンウィンの関係になれるものがあるんじゃないかという結論になってきた」と語った。今回の協議開始がどちらからの提案だったのかを問われると、清水社長は「どちらかといえば私のほうから話しました」と回答。北尾氏らと複数回話す中で、「ネオメディア構想ってどういうところに広げていくつもりですか」と関心を持って聞くようになったという。

コンテンツIPのセキュリティトークン化に期待

FMH側のメリットについて、清水社長は「コンテンツを作るには、より大きな資金が必要になってくる」とし、SBIグループの金融・デジタル技術との連携に期待を示した。具体例として挙げたのが、コンテンツIPのセキュリティトークン化だ。従来は制作委員会方式で出資を募り、回収していく形が主流だが、清水社長は「例えばセキュリティトークン化したら、普通のファンの方からも積極的に投資できるようになるかもしれません」と説明。「資金供給の手段から、配信の手段、流通の手段まで含めて、新しいWeb3技術によってだいぶ変わってくる」とし、「新しいコンテンツの開発の仕方、流通の仕方、資金供給の仕方に画期的な変化を及ぼすのではないか」と期待を語った。

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また、SBIグループが構想するスーパーアプリ「SBI金融エージェント」については、「我々のIPコンテンツ事業をやっていくにあたっては、金融のアプリはかなり重要なんだろうと思っています」とし、決済手段や顧客接点の面で「必要なピース」と位置づけた。コンテンツ視聴時にアプリ上で決済まで済ませるような形についても、「そういうことも可能になるだろうなとは思います」と述べた。