中国のインターネット大手アリババグループが、AI(人工知能)とクラウド事業を成長の柱に据え、再び成長軌道に乗ろうとしている。同社は2025年3月期の連結売上高が前の期比8%増の約9411億元(約19兆円)になったと発表した。クラウド事業のセグメント利益は黒字に転換した。
AIとクラウドがけん引
アリババは、主力のEC(電子商取引)事業に加え、AIとクラウドを新たな収益源として育成している。特に、クラウド事業は企業向けの需要が拡大し、収益性が改善した。AI関連では、自社開発の大規模言語モデル「通義千問(トンイーチエンウェン)」を活用したサービスを強化している。
同社の張勇(ダニエル・チャン)会長兼CEOは「AIとクラウドは当社の成長戦略の中核だ。これらの分野で技術革新を加速し、顧客に価値を提供する」と述べている。
中国市場の競争激化
中国のクラウド市場では、アリババに加えて、テンセントや華為技術(ファーウェイ)、百度(バイドゥ)などがしのぎを削っている。また、AI分野では、スタートアップの深度求索(DeepSeek)が低コストで高性能なAIモデルを発表し、業界に衝撃を与えた。
アリババはこうした競争の中で、技術力と顧客基盤を生かして差別化を図る方針だ。同社は2025年度に約380億元をAIとクラウドに投資する計画で、データセンターの拡充や研究開発を進める。



