NEC森田社長が語る「人月商売」の行方とAI人材育成、組織の壁を破る新戦略
NEC森田社長が語るAI時代の人材戦略と「人月商売」の変革

NECの森田隆之社長は、2021年の就任時、営業利益率が5%前後だった同社の現状について「世界的に見れば、ようやく普通の会社になった」と評した。同年のインタビューでは「2025年度時点で営業利益率8.6%」を目標に掲げていたが、実際には2025年度に10.8%を達成。初の10%台に突入し、2期連続で最高益を更新した。

AI時代のビジネスモデル変革と人材戦略

AIの高度化はソフトウェア開発の価値を大きく変えつつある。NECが2026年5月に発表した2030中期経営計画では、AIによってシステム構築の価値が低下し、価値の中心がコンサルティングやオペレーションへ移っていくとの見立てを示した。

AIサービス市場はグローバルで新たに45兆円超の規模になると予測される一方、従来型の人月商売やSIerとしての稼ぎ方は変革を迫られている。NECはAI時代にどう稼いでいくのか。より幅広い能力を備えたエンジニアの育成方法や、DX・AX領域の価値創造モデル「BluStellar」の収益構造、さらに防衛・安全保障や海底ケーブルといった注力分野の戦略について、森田社長がグループインタビューで語った。

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「普通の会社」を超えた先に見据えるもの

森田社長は「日本とともに成長していきたい。日本に革新と安心をもたらし、それを通じて世界の革新と安心にも貢献する。2030年には、真摯にそう言えるような会社になりたい」と語る。これまで「中計を自分のこととして考えられる社員を育てていく」「変わることを常態化していく会社になりたい」とコメントしてきたが、組織はその目標に近づいているのか。

「まだできているとは言えないが、この5年間で大きく変わった。こういうことを考えられる社員が少しずつ増えてきていると思う」と振り返る。

AI市場45兆円と人月ビジネスの未来

中長期経営計画では、システム開発はAIが代替できる部分が増え、価値の中心がコンサルやオペレーションに移っていくとの考えを示した。求められる人材の能力や規模の見直しは必要だろうか。また、いわゆる人月ビジネスの考え方はAIの普及とともに今後どう変化していくのか。

「2030中計で示した『AIサービス市場がグローバルで新たに45兆円超の規模になる』という予測は、長期的に見て正しいと考えている。ただ、そのスピードはまだ見えず、経営観点からはリスクを考慮しながら保守的な対応を取る必要がある。採用の在り方などは、今まで以上にしっかり考えていく必要がある」と述べた。

一方マクロで見ると、AIサービス市場全体は拡大し、必要な人材も不足するだろう。ただし求められる人材要件自体が変わってくる。「われわれの持っている強みを生かしながら、人材を広げていくという考えになる。それはAIを駆使して圧倒的なシステム構築力を確保するということだ」と強調する。

「人月」から「成果報酬」へ:新たな価値創造モデル

BluStellarは持続的な成長や利益率向上を掲げ、リカーリング型へシフトしている。BluStellar事業の中でリカーリング型収益の割合はどの程度か。また、いつまでにどの程度の割合を目指しているのか。

「非公開数値だが、あくまで私のイメージとしてリカーリング型のサービスモデルは10%くらい。大ざっぱだが、2030年度には50%になっているくらいの気持ちで動いていかないといけないと思っている。実現できるかどうかはこれからだが、3割は成果ベース、つまり顧客側での価値創出をベースにした収益モデルを目指すイメージだ」と語る。

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「提供価値を買ってもらう」というと聞こえは良いが、ユーザーからするとどんな契約・購買形態になるのか。「この話は0か1かではなく、ミックスになる。顧客のマインドセットもあり、成果報酬型だけで対応いただくのは難しいのが実情。ベース部分のサービスと成果部分をミックスした形が徐々に導入されていくと思う」と説明する。

防衛・安全保障で稼ぐ:利益率10%後半のカギ

2025年、さまざまな分野で日本を支え続けてきたのがNECだ。全方向で攻勢に出た1年をどう総括し、2026年以降、日本をどこへ導こうとしているのか。森田社長に全方向戦略の展望を聞いた。

NECは「.JP(日本のサイバー空間)を守る」をスローガンに、日本のデジタルインフラの安全性を確保するためサイバーセキュリティ事業を強化する。5月8日に開催したNECサイバーセキュリティ事業説明会で森田CEOが発表した。「日本を守るには国産AIが必須」と述べ、サイバーセキュリティ事業強化を熱弁した。

人材育成と組織変革:リモートとチーム出社率40%の実現

大手企業を中心にコロナ禍でリモートワーク導入が大きく進み、一部では生産性低下を指摘する声も出てきた。NECではどのように働き方の変革を進めているのか。同社カルチャー変革担当部署の担当者に聞いた。

NECはオープンイノベーションに本気で取り組んでいる。NEC Open Innovation Nightには武田の社員も登壇。同社の取り組みの真意に迫る。

また、NECは「リモート可→チーム出社率40%」をどう実現したのか。大企業を中心にコロナ禍でリモートワーク導入が大きく進み、一部では生産性低下を指摘する声も出てきた。NECではどのように働き方の変革を進めているのか。