ファミリーレストランチェーン「ロイヤルホスト」の看板メニュー「パンケーキ」が、冷凍食品として新たに発売された。開発を担当したロイヤル(東京都世田谷区)の岩田裕美氏は、テレビ番組で「酷評」された過去や、ファンからのプレッシャーを感じながらの商品化について語った。
冷凍パンケーキ市場の拡大とロイヤルホストの挑戦
近年、共働き世代の増加やプレミアム志向を背景に、「高品質・高単価」な冷凍食品市場は拡大を続けている。こうした中、ロイヤルホストの冷凍食品ブランド「ロイヤルホスト デリ」に新たに加わったのが、このパンケーキだ。
「ロイヤルホストのパンケーキには熱狂的なファンがいます。『お店の味』の再現度については、社内外からのプレッシャーを感じていました」と岩田氏は話す。開発工程での苦労や、過去にテレビ番組で「酷評」された経験についても語った。
誕生から48年、ロングセラー商品が初の冷凍食品に
ロイヤルホストのパンケーキは1978年に朝食メニューとして登場して以来、現在まで続くロングセラー商品である。米国の朝食文化を参考に生まれたメニューで、スイートと軽食の中間のような「あまじょっぱい」味が特徴だ。
このパンケーキを家でも食べたいという声や、ギフトとして贈りたいというニーズを受け、ロイヤルは2025年夏から冷凍食品化に着手。約1年の開発期間を経て、店舗で提供する形式と同じ3枚入りで販売している。シロップが付属し、価格は620円。
「ロイヤルに入社すると、研修でパンケーキの作り方を先輩から叩き込まれます」と岩田氏は話す。それだけに味はもちろん、食感や焼き目の再現にも力が入ったという。
「あまじょっぱい」味を意識、冷凍ならではの課題を克服
店舗の味を再現する上で最もこだわった点について、岩田氏は「ふんわり感としっとり感、そして『あまじょっぱい』です」と説明する。パンケーキは焼いてから冷凍すると縮んでしまい、身が締まってしまう。これにより、食べるときの「あまじょっぱい」が悪くなるという。
こうした課題を解決するため、原料の配合と機械での混ぜ時間を工夫した。水は一切使わず、水分は卵のみを使用。パンケーキにシロップが染み込むようにするため、焼く際に生地にほどよく気泡が生まれる加水量になるまで試作を繰り返した。
また、店舗では手作業で行っている工程を機械で再現するため、原料を機械に投入するタイミングも細かく調整したという。
テレビ番組での「酷評」とファンの「期待」
ロイヤルホストのパンケーキは、過去にテレビ番組で「酷評」された経験がある。しかし、岩田氏は「あの時の評価が、商品改善の原動力になった」と振り返る。ファンからの「あの味を冷凍で再現してほしい」という声に応えるため、開発チームは試行錯誤を重ねた。
「冷凍食品は、店舗の味を100%再現するのは難しい。しかし、できる限り近づけることで、ファンに喜んでもらいたい」と岩田氏は語る。今回の冷凍パンケーキは、そのこだわりの結晶だ。



