山本太郎「もうやめた(笑)」発言に批判殺到…表示規則の心理学から分析
山本太郎「もうやめた(笑)」発言に批判殺到…表示規則の心理学

2026年7月9日、れいわ新選組の山本太郎代表が記者会見を開き、代表の辞任と政界からの引退を表明した。会見の主題は、2025年10月に道路交通法違反(法定速度時速80キロの道路を69キロ上回る時速149キロで走行したとされる速度超過)で検挙された件についての説明だった。会見は謝罪から始まったが、質疑応答の中で山本氏が記者とやり取りをしながら笑顔を見せる場面が複数回見られた。

「もうやめた!」の一言が拡散、ネット上の反応

ある記者から「政治家全般やめるの?」と問われた際、山本氏は笑いながら「もうやめた!」と答えた。この短いやり取りがSNS上で切り取られて拡散し、「笑い方が不気味だ」「釈明の場にふさわしい態度とは思えない」といった批判が相次いだ。本稿では、山本氏の政策や辞任・引退の是非には触れず、あくまで「謝罪や引退を表明する会見という場面で見せた笑顔」がなぜ強い反発を招くのかを、見た目の科学の視点から分析する。

表示規則とは何か

私たちは日常的に、感情をありのまま表に出しているわけではない。むしろ、状況に応じて表情を調整する作業を、ほとんど無意識のうちに行っている。例えば、もらった誕生日プレゼントが気に入らなくても、がっかりした顔ではなく笑顔を作ってしまうのはその典型例だ。このような、どんな感情をいつ誰に対して表に出してよいかという暗黙のルールを、心理学では「表示規則」と呼ぶ。山本氏の会見での笑顔は、この表示規則から逸脱していたとみなされた可能性が高い。

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「深刻な場での笑い」が好意的に受け取られることも

ただし、深刻な場面での笑顔が常に否定的に評価されるわけではない。例えば、謝罪会見で緊張を和らげようとする笑顔や、自虐的なユーモアを交えた対応が好意的に受け取られるケースもある。しかし、山本氏の場合は、笑顔のタイミングや頻度が、会見の深刻さと乖離していると受け止められた。桜美林大学の宮本文幸教授(見た目戦略研究)は、表情の意味は受け手が置かれた文脈で決まることが多いと指摘する。つまり、山本氏の笑顔は、謝罪や引退という重大な場面にそぐわないと判断され、結果として「不気味」や「不誠実」という印象を与えたのだ。

表情がかみ合っていなくても、必ずしも「不誠実」ではない

山本氏の行動は、故意に不誠実な態度を取ったというより、無意識のうちに表示規則を踏み外した可能性がある。緊張やストレスが高まる状況では、人は無意識に笑顔でごまかそうとする防衛反応を示すことがある。しかし、公の場では、そのような自然な反応が「地雷」となることも多い。本件は、政治家の表情一つが大きな批判を招く現代のメディア環境を象徴していると言えるだろう。

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