サムスン電子は6月23日、モバイル機器向けの新しいストレージソリューション「UFS 5.0」を発表した。JEDECの最新組み込みメモリインターフェース標準を統合し、読み取り速度で最大10.8ギガバイト/秒(GB/s)を実現するという。これはDRAM級の高速フラッシュストレージアクセスを可能にし、特にオンデバイスAIアプリケーションの処理を大幅に加速する。
UFS 5.0の性能と進化
UFS(Universal Flash Storage)は、モバイル環境でSoCとストレージを接続するインターフェースとして広く活用されてきた。従来の最新規格はUFS 4.1だったが、サムスンはバージョンナンバーを大きく進めたUFS 5.0を投入。シーケンシャル読み取り速度は最大10.8GB/s、シーケンシャル書き込み速度は最大9.5GB/sを達成し、UFS 4.1比でいずれも約2倍の性能向上を実現した。
この大幅な高速化により、オンデバイスAIアプリケーションの処理が大幅に改善される。従来のモバイル端末ではメモリ容量の制約から高性能なAIモデルの利用が困難だったが、UFS 5.0はDRAM級の速度でNANDフラッシュをメモリのように扱えるため、大規模なAIモデルのオンデバイス実行が可能になる。サムスンは、NANDをAI計算のコアインフラとして活用する方針を掲げている。
新技術と消費電力削減
高速化の実現には、クロックゲーティングや多電圧技術など、さまざまな新技術が採用された。性能向上だけでなく、消費電力も大幅に削減。さらに、パッケージサイズは前モデルより16.7%小型化され、7.5mm×13mm×0.9mmに収められた。これにより、より薄型のモバイル端末への搭載が容易になる。
量産計画と対応チップの噂
サムスンはUFS 5.0ストレージの量産を今年第4四半期に開始する予定で、最大1TBの大容量バリアントも展開する。一部メディアでは、Qualcomm Snapdragon 8 Elite Gen 6 ProやSnapdragon 8 Elite Gen 6、MediaTek Dimensity 9600 Pro、そしてSamsung Exynos 2700がUFS 5.0規格をサポートする可能性があるとの噂も報じられている。



