エクイニクス・ジャパン、NTT東日本、さくらインターネットの3社は6月30日、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)に基づく技術要素であるAPN(All-Photonics Network)を活用した概念実証(PoC)を2026年後半より共同で実施する検討を開始したと発表した。この取り組みは、分散AI基盤の実現に向けた性能評価と運用要件の確認を目的としている。
PoCの概要と目的
PoCでは、さくらインターネットが北海道石狩市に保有する石狩データセンターのサービス基盤と、エクイニクスが東京に展開する拠点を、NTT東日本が提供する「All-Photonics Connect powered by IOWN」を用いて直接接続する。この光ファイバーによる高速・低遅延なネットワークを介し、スループットや遅延などの性能評価を実施し、実運用で必要となる条件を確認する。
分散AIの検討においては、AIの学習や推論処理の適切な配置、データの前処理や移動の最適化を想定し、ワークロードに応じた最適な構成を探る。また、監視や障害時の切り分け、アクセス制御、ログ管理など、運用とセキュリティに関する要件についても整理を進める。
ネットワーク構成と将来展望
具体的な構成としては、さくらインターネットの石狩データセンターとエクイニクスの東京拠点をAll-Photonics Connectで直結し、必要に応じてエクイニクスの相互接続プラットフォーム「Equinix Fabric」などを活用し、外部クラウドやエコシステムへの接続も検討する。これにより、複数のデータセンター間でのシームレスなAIワークロード分散が可能となる。
3社は、本PoCを通じてIOWN APNの有効性を検証し、将来的な分散AI基盤の商用化につなげる方針。特に、大規模なAIモデルの学習やリアルタイム推論を必要とするユースケースにおいて、APNの低遅延特性が重要な役割を果たすと期待されている。
各社のコメント
エクイニクス・ジャパンの担当者は、「APNを活用した高速接続により、データセンター間でのAI処理の効率化が進む。今回のPoCは、分散AIの実運用に向けた重要なステップだ」と述べている。NTT東日本は、「IOWNの技術を実際のビジネス環境で検証する好機であり、3社の知見を結集して取り組む」とコメント。さくらインターネットは、「石狩データセンターの強みを活かし、分散AI基盤の構築に貢献したい」としている。



