東海旅客鉄道(JR東海)は、新幹線の車両点検作業における暑熱対策として、シャープが開発した小型蓄冷材「手掌冷却用+12℃適温蓄冷材」を本格導入した。2025年8月に同製品と同等の蓄冷材750個を試験的に導入し、その結果を踏まえて2026年6月に新たに100個を追加。合計850個の蓄冷材を現場で運用している。
手掌冷却で効率的に体温調節
「手掌冷却用+12℃適温蓄冷材」は、手のひらに収まるサイズの蓄冷材で、作業前や休憩中に握ることで、手のひらを流れる血液を冷却し、全身の体温を下げる仕組みだ。一般的な保冷剤と異なり、約12℃の適温を維持するため、過度な冷却による痛みや不快感を抑えながら使用できる。冷凍庫で約2時間以上、または氷水で約1時間以上冷却すれば繰り返し利用可能で、現場での運用に適している。
35℃環境下で効果を実証
JR東海とシャープは、2026年1月から3月にかけて、千葉県のシャープ柏事業所にある気温35℃の模擬環境設備で検証を実施。作業前や合間に蓄冷材を握る使用方法で、効率的に体温を下げられることを確認した。JR東海は「冷蔵庫で冷却できるため作業場に導入しやすく、繰り返し使える点が現場運用に適している」と評価。試験導入時には社員からも好評を得たという。
暑熱対策の一環として拡大
JR東海は、新幹線の安全な運行を支える車両点検作業は夏季を中心に高温環境下で行われることが多く、作業員の熱中症リスク低減が課題となっていた。今回の蓄冷材導入は、こうした暑熱対策の一環として位置づけられており、今後も必要に応じて拡充を検討する方針だ。



