BYDの新型軽EV「ラッコ」の購入を検討する際、多くの人が「300Plus」と「300Premium」のどちらを選ぶかで迷うだろう。価格差は9.9万円。はたして、10万円近く多く支払う価値はあるのか。両グレードを徹底的に比較してみる。
まずは違いを一覧で確認
これまでの記事で紹介したように、両グレードの性能はほぼ同じ。バッテリー容量も一充電走行距離も、充電性能も共通となっている。違いは主に装備内容だ。
300Premiumだけに与えられている装備をまとめると以下のようになる。
- BYDアラウンドビュー
- 足元投影ガイド付きハンズフリースライドドア
- 6Way電動調整運転席
- 合成皮革シート
- ホットカップホルダー
この装備群をどう評価するかがグレード選びのポイントとなる。
一番価値が大きそうなのはBYDアラウンドビュー
Premium専用装備の中で、最も実用性が高そうなのが「BYDアラウンドビュー」だ。
ラッコは軽自動車なので全幅は1,475mmしかないが、スーパーハイトワゴンなだけあって、全高は1,800mmもある。運転席から見下ろす感覚はあっても、車両周辺の状況が完全に把握できるわけではない。
アラウンドビューがあれば、狭い駐車場、ショッピングモール、子どもの送迎先、コンビニ駐車場などで安心感が増す。この手の機能は、使い始めると手放せない。9万9,000円の価格差を考えた場合、この機能だけでもPremiumを選ぶ理由になる人は少なくないだろう。
ハンズフリースライドドアは子育て世代に刺さる
もうひとつ注目したいのが「足元投影ガイド付きハンズフリースライドドア」だ。300Premiumでは足元に投影されたガイド位置に足をかざすことで、電動スライドドアを開閉できる。
例えば、子どもを抱っこしている、ベビーカーを押している、買い物帰りで両手がふさがっている、といった場面では便利な機能となりそうだ。ただし、毎日必ず使う機能かどうかは人による。この装備だけを目的にPremiumへとアップグレードする人は多くないかもしれない。
電動シートと合成皮革シートは満足度アップに効く
300Premiumになるとシートもアップグレードされる。300Plusは防水高級ファブリックシートだが、300Premiumは合成皮革シートを採用。さらに運転席は6Way電動調整となる。
ここはラッコのキャラクターを考えると意外に大きなポイントだ。というのも、ラッコの購入層には「N-BOXカスタム」や「スペーシアカスタム」などの上級軽スーパーハイトワゴンから乗り換える人も含まれそうだからだ。
そうしたユーザーはクルマを単なる移動手段として見るだけではなく、内装の質感、シートの見た目、装備の充実度も重視する傾向がある。Premiumのブラック&ベージュ内装は300Plusとは明らかに印象が違う。毎日乗り込むたびに満足感を得られる装備といえるだろう。
ホットカップホルダーは意外に魅力的?
ラッコらしい装備として挙げられるのがホットカップホルダーだ。保温機能を備えており、飲み物を温かい状態で維持できる。なくても困らない装備ではある。しかし、冬の通勤、子どもの送迎、長距離ドライブでは地味にありがたい。購入時よりも、所有してから価値を実感するタイプの装備といえそうだ。
逆に300Plusでも不満はなさそう
一方で300Plusを見てみると、装備が不足しているわけではない。すでに、シートヒーター、ステアリングヒーター、NFCキー、Bluetoothデジタルキー、後席サンシェード、アルミホイール、直接式タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)、幼児置き去り検知などを備えている。
日常生活で頻繁に使う装備の多くは300Plusでカバーされているため、コストパフォーマンスという観点では非常に魅力的だ。
結論:コスパなら300Plus、満足度なら300Premium
改めて整理してみる。
300Plusがおすすめな人は以下の通りだ。
- 少しでも予算を抑えたい
- 航続距離重視
- 装備は必要十分でいい
- コスパを重視したい
300Premiumがおすすめな人はこうなる。
- 駐車支援機能が欲しい
- 内装の質感を重視する
- 長く乗る予定がある
- 軽でも上級グレードを選びたい
筆者なら、多くの人には300Plusをすすめるだろう。9万9,000円安く、性能は300Premiumと変わらないからだ。ただし、クルマは毎日使う道具でもある。アラウンドビューモニターや電動シート、合成皮革シートに魅力を感じるなら、300Premiumを選んで後悔することもないだろう。
次回は少し視点を変えて、ラッコのボディカラーと内装色に注目。どのグレードでどんな組み合わせが選べるのかを詳しく見ていきたい。



