警察や消防など過酷な現場で任務を遂行する「タクティカルアスリート」の間で、スポーツ科学の知見を活用したトレーニングが進んでいる。現場を担う職員のケガ防止や基礎体力向上につなげる狙いだ。
県警機動隊で約100人が訓練
藤枝市の警察学校で8月26日、県警機動隊の若手警察官ら約100人がチームに分かれ、約10キロのメディシンボールや砂の入った約40キロの袋などを使って訓練に励んだ。
同隊はこれまでも体力作りのトレーニングを取り入れていたが、科学的根拠には基づいていなかった。県警幹部は「根性論では若い隊員がついてこない。効率よい訓練が必要だ」と話す。
アスリート指導者が講師に
県警は今春、ゴルファーや力士らアスリートを指導する八代直也さん(55)(熱海市)に機動隊のトレーニング講師を依頼した。八代さんは、様々な種目のアスリートにトレーニングを教えてきた経験を生かして隊員を指導。士気の下がる言葉を禁止し、隊員同士が前向きな言葉で鼓舞し合えるようにして精神面の向上も図った。
訓練に参加した男性巡査(26)は「目的意識を持って訓練に臨める」と手応えを語る。八代さんは「命にかかわる仕事だからこそ、効果的に鍛えるトレーニングが必要だ」と話した。
消防でも科学的指導広がる
科学的根拠のある指導は消防でも広がる。磐田市消防本部は昨年度、静岡産業大や健康支援を手がける新興企業「Canvas」(島根県)と連携協定を締結した。スポーツ科学の視点でデータを収集や解析し、身体面だけでなく職員の心理的な負担軽減や職場環境の改善に取り組む方針だ。
市消防本部の担当者は「隊員のケガ防止や意欲アップにつなげたい」と力を込めた。



