養蜂家は巣箱の中に、ミツバチが巣を作りやすいように六角形の小部屋を一面に並べた土台の板(巣礎)を入れる。その形を四角形に変えると巣はどうなるか。そんな実験に、北九州市立大の鳴海孝之准教授らが取り組んだ。ハチがなぜ、何もないところからあんなきれいな形の巣を作れるのかに迫るためだ。
自然界のハニカム構造の謎
ハチの巣は、少ない材料で効率よく空間を区切れる「ハニカム構造」の代表例だ。溶岩が冷えて固まることでできる柱状節理などでも見られ、自然界でひとりでに生じるようにも思えるが、多数の働きバチたちが設計図も指令役もないのに規則正しい構造を整然と構築できるメカニズムは、実はまだわかっていない。
数理モデルで迫る研究
鳴海さんは、自然界に現れる形やパターンを数理モデルで解明する研究を志し、博士研究員だった2013年に関西学院大の大崎浩一教授の研究室の門をたたいた。そこで初めて、ミツバチを自ら飼って巣のパターン形成を調べていることを知った。以来、ハチの巣の不思議に魅入られ、大学を移っても共同研究を続けてきた。
個々の単純な反応の積み重ねが、どのようにして規則正しい構造を生み出すのか。その解明に向け、四角形の巣礎を使った実験で、ハチたちがどのような巣を作るのかを観察している。



