AMD、フィジカルAI市場は2035年に2000億ドルへ、ECS 2026でソリューションを説明
AMD、フィジカルAI市場は2035年に2000億ドルへ、ECS 2026で説明

AMDは8月28日、都内でECS(Embedded Computing Summit)2026を開催した。このイベントは世界13都市を回るもので、アジア太平洋・日本地域では日本が最後の開催となる。バンガロール(8月20日)、ソウル(8月25日)を経て東京(8月28日)で行われ、その後ポーランドのクラクフ、ドイツのフランクフルトを経て、10月8日のパリで終了する半年間に及ぶイベントだ。

これに合わせて同社は記者説明会を開催し、フィジカルAIに関するソリューションを説明した。説明会では、カントリーマネージャーの杉山功氏と、APACエンベデッド・セールス技術本部部長の古谷憲吾氏が登壇した。

フィジカルAI市場は2035年に2000億ドル規模へ

説明の内容は、7月に行われたAI Advancing 2026におけるフィジカルAIの講演とほぼ同様のものだ。フィジカルAIを実装するにはさまざまな困難がある一方、市場は急速に拡大しており、2035年のTAMは2000億ドルと予測されている。

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フィジカルAIとは、現実世界のイベントをセンサーで取得し、その内容を理解して判断し、結果を実行するというループから構成される技術だ。つまり、いわゆる制御ループにAIが関わるもので、このループをどれだけ高速に回せるかが性能を左右する。

ユニファイドメモリでAI処理のレイテンシを短縮

ここで問題となるのが、AIアクセラレーターとCPUのコミュニケーションのレイテンシだ。Ryzen Embedded X100シリーズでは、ユニファイドメモリの形で利用することで、最小限のレイテンシに抑えられるという。CPU+NPU、あるいはFPGA+NPUという構成が強みになるとしている。

Ryzen AI Embedded X100では、Realtime LinuxでのInterrupt Latencyが7マイクロ秒を切るほか、競合製品と比較して高い性能を発揮できると説明された。一方で、X100のTDPは45W~120Wとかなり大きく、ロボティクスに実装するにはかなり大きな製品でないと難しいという課題もある。

Kria AIとFPGAが担う役割の違い

Ryzen Embedded X100をフィジカルAIに活用するための最初のステップとして、「Kria AI」と「Robotics Developer Platform」が発表された。すでに評価結果も示されており、NVIDIAの「Jetson Thor T5000」との性能比較も行われた。ただし、ベンチマークの数字そのものよりも、パートナーが実際にアプリケーションを移植して利用できる環境が提供されていることが重要だとしている。

Kria KR260 Robotics Starter KitとKria AIの関係については、KR260はセンサーやジョイント、スパインといったコンポーネント制御やセンサーデータ取得を担う部分で、Kria AIはブレインにあたる部分を担う。アプリケーションが異なるため、置き換えではなく両方とも引き続き提供していくという。

Kria AIブランドの今後の展開については明確な回答が得られなかった。Kria AIはRyzen AI Embedded X100を搭載したSOM(COM-HPCボード)を指すが、それ以上のことは決まっていないようだ。NPUを搭載した製品(Versal AI Edge Gen2など)がすべてKria AIになるのか、NPUを搭載しない製品(Ryzen Embeddedなど)がKriaになるのかも未定で、ブランディングは現時点では決まっていない。

また、Embedded+のSOM化については、SOMは小型であることがメリットだが、CPU+FPGAでは物理的に大きくなりすぎるため、需要を見極める必要があるとして、積極的に展開する予定はないようだ。

会場では、杉山氏がRyzen AI Embedded P100/X100を披露したほか、Manuel Uhm氏(Director, FPGA/Adaptive SoC Product Mgmt&Marketing, AECG)がRyzen AI Embedded X100のサンプルを展示し、撮影に応じた。

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