米国政府は15日、中国に対する半導体輸出規制をさらに強化する新たな措置を発表した。今回の規制強化では、人工知能(AI)向けの先端半導体や関連製造装置の輸出許可要件が厳格化され、対象範囲が拡大された。米商務省は声明で「国家安全保障上の脅威に対処するため」と説明している。
規制の詳細と影響
新たな規制では、AIチップとして知られる高性能半導体のほか、半導体製造に必要な露光装置やエッチング装置なども新たに輸出管理の対象に加えられた。これにより、中国企業が先端半導体を調達する際には、米国政府の個別許可が必要となる。米国は2022年10月にも半導体輸出規制を強化しており、今回の措置はその延長線上にある。
バイデン政権高官は記者団に対し、「中国が最先端の半導体を軍事目的に転用するリスクを防ぐ必要がある」と述べ、規制強化の必要性を強調した。また、日本やオランダなど同盟国との協調を進め、規制の実効性を高める方針も示された。
日本とオランダへの影響
日本とオランダは半導体製造装置で世界市場をリードしており、両国が同様の規制を導入するかどうかが焦点となる。米国は既に両国との協議を開始しており、年内にも合意を目指すとみられる。日本の経済産業省は「米国の動向を注視しつつ、適切に対応する」とコメントしている。
一方、中国商務省は「米国の措置は国際貿易のルールに反し、半導体サプライチェーンの安定を損なう」と反発。対抗措置も検討すると表明した。中国は半導体の国産化を急ピッチで進めており、今回の規制がその動きを加速させる可能性もある。
市場への影響
今回の規制強化を受け、半導体関連株は乱高下した。特に、中国向け売上比率の高い米国半導体メーカーの株価は下落した。一方、国内半導体製造装置メーカーには思惑的な買いも入り、東京エレクトロンやディスコの株価は上昇している。
専門家は「今回の規制は中国の半導体産業に短期的な打撃を与えるが、中長期的には中国の自給率向上を促す可能性がある」と分析している。また、日本企業にとっては、規制に伴うビジネス機会の喪失と、中国市場からのシフトという課題が浮き彫りになった。



