バイデン米政権は14日、中国への半導体輸出規制を強化する新たな管理策を発表した。人工知能(AI)向け先端半導体を対象に、輸出許可の要件を厳格化し、米国企業の技術流出防止と競争力維持を図る。今回の措置は、2022年10月に導入した当初の規制を拡充するもので、対象となる半導体の性能基準を引き下げ、より広範な製品が規制対象となる。
規制の詳細と影響
新たな管理策では、AI演算に用いる高性能半導体のうち、演算性能が一定以上の製品について、中国向け輸出に個別のライセンス取得を義務付ける。また、米国企業が中国企業に技術支援を行う際の制限も強化。違反した場合の罰則も厳格化し、最大で100万ドル(約1億4000万円)の罰金や禁固刑の対象となる可能性がある。商務省産業安全保障局(BIS)のアラン・エステベス次官補は「国家安全保障上のリスクに対処するため、規制の実効性を高める必要がある」と述べた。
同盟国との連携強化
米政府は、日本やオランダなど半導体製造装置で強みを持つ同盟国との連携も模索。2023年1月には米日蘭3カ国で対中輸出規制で合意したが、今回の措置ではさらに踏み込み、同盟国企業にも同様の規制を課すよう働きかける方針。エステベス次官補は「同盟国と協調して行動することで、規制の抜け穴を塞ぎ、中国の軍事技術向上を防ぐ」と強調した。
中国の反発と市場への影響
中国商務省は直ちに反発し、「経済的威圧であり、国際貿易ルールに反する」との声明を発表。半導体の安定供給を確保するため、対抗措置を検討する可能性を示唆した。市場では、半導体関連株に売りが広がり、エヌビディアやAMDなど米半導体大手の株価が下落。アナリストは「規制強化により、米企業の中国市場での売上減少は避けられず、業績に影響が出る」と指摘する。
今後の展望
バイデン政権は、半導体補助金法(CHIPS法)に基づく国内生産支援と輸出規制の両輪で、半導体分野での中国依存脱却を目指す。今回の規制強化は、11月の大統領選を前に、対中国強硬姿勢をアピールする狙いもあるとみられる。ただ、業界団体からは「過度な規制はイノベーションを阻害する」との懸念も出ており、今後の運用次第では米国企業の競争力低下を招く可能性も指摘されている。



