トヨタ自動車は、車両の基本的な制御を担うソフトウェアを開発する新会社を2025年4月に設立すると発表した。新会社は「J-QuAD DYNAMICS(ジェイクワッドダイナミクス)」と命名され、トヨタの子会社であるジェイテクト、アイシン、アドヴィックスなどが出資する。資本金は約100億円で、トヨタが過半を出資する見通しだ。
ソフトウェア定義車両への布石
新会社は、車両の走行・旋回・停止といった基本動作を制御するソフトウェアの開発に特化する。従来、各サプライヤーが個別に開発していた制御ソフトを統合し、ハードウェアとソフトウェアの分離を進める。これにより、ソフトウェアのアップデートで車両の性能を向上させる「ソフトウェア定義車両(SDV)」の実現を加速する狙いだ。
開発効率の向上とコスト削減
トヨタは、新会社の設立により、車両制御ソフトの開発期間を従来の半分に短縮することを目指す。また、ソフトウェアの共通化によって、車種ごとの開発コストを削減できると見込む。トヨタの佐藤恒治社長は「ソフトウェアの重要性が増す中で、開発体制を抜本的に変える必要がある」と述べている。
新会社の社長には、トヨタの車両制御開発責任者である山形光晴氏が就任する予定。従業員は約500人規模で、トヨタやグループ各社から出向する形で集められる。
業界再編の動きと連動
自動車業界では、SDVへの移行に伴い、ソフトウェア開発を専門に行う企業の設立が相次いでいる。ホンダは2024年4月に、車載OS開発の新会社を設立。日産自動車も2025年度中に、ソフトウェア開発を担う新組織を立ち上げる方針だ。
トヨタは新会社を通じて、グループ内のソフトウェア人材を集約し、外部のスタートアップとの連携も強化する。2026年には、新会社の技術を搭載した新型車の発売を計画している。



