トヨタ自動車とNTTは、自動運転技術の開発において、車両と通信ネットワークを統合する大規模なデータ基盤の構築で協業すると発表した。両社は、交通事故ゼロを目標に掲げ、2025年までに実証実験を開始する計画である。
協業の背景と目的
自動運転技術の実用化には、車両が収集する膨大なデータをリアルタイムで処理し、周囲の状況を正確に把握する必要がある。トヨタは車両開発で培った知見を、NTTは通信技術とAI分析のノウハウを持ち寄り、より安全で効率的な自動運転システムの実現を目指す。
具体的には、5Gや光通信などの高速ネットワークを活用し、車両間や道路インフラとの通信を最適化する。これにより、遠隔地からの運転支援や、複数車両の協調制御が可能になると期待されている。
データ基盤の特徴
新たなデータ基盤は、エッジコンピューティングとクラウドを組み合わせたハイブリッド型となる。車両側で即時処理が必要なデータはエッジで処理し、長期的な分析が必要なデータはクラウドに送信する。この仕組みにより、通信遅延を最小限に抑えつつ、ビッグデータの活用が可能となる。
トヨタの豊田章男社長は、「自動運転の実現には、車両単体の性能向上だけでなく、社会全体のインフラとの連携が不可欠だ。NTTとの協業で、安全で安心なモビリティ社会を創造したい」と述べている。
実証実験の計画
両社は2025年までに、特定のエリアで実証実験を開始する予定である。実験では、自動運転車両が収集したデータを基に、交通状況の予測や危険回避のアルゴリズムを検証する。さらに、2020年代後半には、都市部での本格的な運用を目指す。
NTTの澤田純社長は、「通信技術と自動運転の融合は、社会課題の解決に大きく貢献する。トヨタとの協業で、世界に先駆けたソリューションを提供したい」とコメントした。
業界への影響
自動運転技術を巡っては、グーグル傘下のWaymoや中国の百度など、IT企業が先行している。トヨタとNTTの協業は、自動車メーカーと通信事業者の連携モデルとして注目される。両社の強みを活かしたデータ基盤が確立されれば、自動運転の普及が加速する可能性がある。
また、この協業は、交通事故の削減だけでなく、渋滞の緩和や環境負荷の低減にも寄与することが期待されている。



