トヨタ自動車と日産自動車が自動運転タクシー事業で提携する方向で最終調整に入ったことが、複数の関係筋への取材で明らかになった。両社は自動運転技術の開発競争が激化する中、巨額の投資負担を軽減するため、協調領域を拡大する方針だ。
提携の背景と狙い
自動運転タクシーは、レベル4(特定条件下での完全自動運転)以上の技術が求められ、開発コストは数千億円規模に上る。トヨタはすでに米グーグル傘下のウェイモと提携し、自動運転タクシー「e-Palette」を開発中だが、日産は単独での開発に限界を感じていた。日産の内田誠社長は「協業の可能性は常に探っている」と述べており、今回の提携はその延長線上にある。
具体的な協業内容
両社は自動運転システムの基盤部分を共通化し、センサーや制御ソフトウェアの共同開発を検討している。一方、車両デザインや顧客サービスなどの競争領域は各社が独自に展開する。トヨタの豊田章男社長は「自動運転は業界全体で取り組むべき課題」と強調しており、競合との連携も辞さない姿勢を示している。
業界への影響
今回の提携が実現すれば、日本の自動車業界における自動運転技術の標準化が加速する可能性がある。また、部品メーカーやソフトウェア企業への発注規模が拡大し、サプライチェーン全体に波及効果が及ぶとみられる。専門家は「トヨタと日産が手を組めば、グーグルやウーバーに対抗できる力が生まれる」と評価する。
今後のスケジュール
両社は2024年度中に正式合意し、2025年度から実証実験を開始する計画だ。商用化は2020年代後半を目標にしており、まずは東京や大阪などの大都市圏でサービスを始める見通し。日産は2023年までに横浜市で実施した実証実験のデータを提供し、トヨタは車両プラットフォームを供給する方向で調整している。



