世界的な半導体不足がようやく収束の兆しを見せている。市場調査会社の最新予測によれば、2024年後半には供給が需要に追いつき、2025年には供給過剰に転じる可能性が高いという。この変化は、パンデミック後の需要急増とそれに応じた生産能力拡大の結果である。
半導体不足の終焉と供給過剰の兆し
調査会社の報告書では、半導体の需給バランスが2024年第3四半期に均衡し、その後は供給過剰に傾くと予測している。特にメモリ半導体では、2025年には供給過剰率が10%を超える見通しだ。この背景には、スマートフォンやPCの需要減退に加え、新工場の稼働開始がある。
需要減退と生産能力の増強
パンデミック特需の反動で、家電や自動車向け半導体の需要は2023年から鈍化している。一方で、半導体メーカーは過去2年間に大規模な投資を行い、生産能力を大幅に拡大した。例えば、台湾のTSMCは2024年に3ナノメートルプロセスの量産を開始し、サムスンも米国に新工場を建設中だ。
「供給過剰は短期的には価格低下をもたらすが、長期的には業界の再編を促す可能性がある」と、調査会社のアナリストは指摘する。自動車業界では、半導体不足による生産停止が2023年まで続いたが、2024年には正常化が進む見込みだ。
業界への影響と今後の見通し
供給過剰が懸念される一方で、AIやデータセンター向けの先端半導体は引き続き需要が高い。そのため、半導体メーカーは成熟品と先端品のポートフォリオを調整する必要に迫られている。また、地政学的リスクを背景に、各国が半導体の国内生産を推進していることも、供給過剰に拍車をかける要因となっている。
「2025年までに半導体の在庫水準は過去最高に達するだろう」と、業界団体の関係者は語る。この状況は、半導体メーカーの収益性に悪影響を及ぼす可能性があるが、消費者にとっては製品価格の低下という恩恵がある。



