半導体不足解消も車載半導体の需給逼迫続く、2024年も注意必要
半導体不足解消も車載半導体需給逼迫、2024年も注意

世界的な半導体不足は解消の兆しを見せているものの、車載向け半導体に関しては依然として需給が逼迫した状態が続いている。2024年も引き続き注意が必要だと専門家は指摘する。

半導体不足の現状

2020年以降、新型コロナウイルスの影響で世界的な半導体不足が発生。自動車業界は特に深刻な影響を受け、多くの自動車メーカーが生産調整を余儀なくされた。しかし、2023年に入り、半導体の供給状況は改善傾向にある。例えば、スマートフォンやパソコン向けの半導体は需要の落ち込みもあり、供給が需要を上回る状態になっている。

一方で、車載向け半導体は需要が高止まりしており、供給が追いついていない。自動車の電動化や自動運転技術の進展に伴い、1台当たりの半導体搭載数は増加の一途をたどっている。加えて、半導体メーカーは車載向けよりも利益率の高い先端半導体の生産に注力する傾向があり、車載向け半導体の供給が十分に行き渡っていない。

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需給逼迫の要因

需給逼迫の背景には、半導体製造装置の不足も挙げられる。半導体メーカーは増産に向けて設備投資を積極的に行っているが、製造装置の納期が長引いており、思うように生産能力を拡大できていない。特に、車載向け半導体に使われる成熟プロセス(28nm以上)の製造装置は、新規の投資が限られている。

また、半導体の供給網が複雑化していることも問題だ。車載向け半導体は、自動車メーカーから部品メーカー、半導体メーカー、さらに材料メーカーまで多くの企業が関わる。それぞれの工程で需給のバランスが崩れると、全体の供給に影響が出る。

「車載向け半導体の需給逼迫は、2024年も続く可能性が高い」と、業界アナリストの田中氏は指摘する。同氏は「自動車メーカーは、半導体の調達リスクを分散するため、複数のサプライヤーとの関係構築や在庫の積み増しを進めるべきだ」と述べている。

自動車メーカーの対応

こうした状況を受け、自動車メーカーは半導体の安定調達に向けた取り組みを強化している。トヨタ自動車は、半導体メーカーとの直接契約を拡大し、供給の優先順位を確保する方針だ。また、日産自動車は、半導体の設計から製造まで一貫して手掛ける企業との提携を模索している。

さらに、ホンダは半導体の在庫を従来の3倍に増やす方針を表明。部品メーカーとの連携を強化し、需給変動に柔軟に対応できる体制を整えるとしている。

半導体不足の影響は、自動車の生産台数だけでなく、車種構成にも及んでいる。例えば、半導体を多く使う高級車や電動車の生産を優先し、エントリーモデルの生産を抑制する動きが一部で見られる。

今後の見通し

半導体メーカーは、車載向け半導体の生産能力を増強するため、新工場の建設や既存工場のライン増設を進めている。しかし、新工場の稼働開始までには数年かかるため、短期的な需給改善は見込みにくい。

「2024年後半から徐々に需給は緩和に向かうだろうが、完全な正常化は2025年以降になる」と、業界関係者は予測する。自動車メーカーは、当面は半導体の調達リスクを前提とした経営計画を策定する必要がありそうだ。

一方、半導体不足を契機に、自動車業界では半導体の内製化やサプライチェーンの見直しが加速している。長期的には、自動車メーカーと半導体メーカーの協業がさらに進み、安定供給の仕組みが構築されることが期待される。

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