世界的な半導体不足が自動車業界に深刻な影響を及ぼしている。トヨタ自動車は2024年4月から6月にかけて国内工場での減産を計画しており、対象となる車種はカローラやヤリスなど主力モデルに及ぶ。日産自動車も同様に、一部工場での生産調整を余儀なくされている。
半導体不足の背景
半導体不足の主な要因は、パンデミック後の需要急増と地政学的リスクによる供給網の混乱だ。特に車載半導体は、スマートフォンやデータセンター向けと競合しており、供給が逼迫している。業界団体の日本自動車工業会によると、2023年の国内自動車生産台数は前年比で約5%減少した。
影響を受ける主要メーカー
トヨタは2024年4月に国内工場の一部ラインを停止し、約1万台の生産減少を見込む。日産は栃木工場でノートなどの生産を一時停止。ホンダも埼玉製作所でシビックの生産調整を実施している。マツダやスバルも影響を受けており、業界全体で減産が広がっている。
「半導体の調達は依然として不透明で、楽観視できない状況だ」とトヨタの広報担当者は述べている。また、日産の関係者は「2024年後半まで供給制約が続く可能性がある」と警告する。
経済への波及効果
自動車生産の減少は、部品メーカーや雇用にも影響を及ぼす。日本自動車部品工業会の試算によると、半導体不足による2023年の国内部品出荷額は約3000億円減少した。さらに、完成車の納期遅延が販売現場で顕在化しており、中古車価格の高騰も見られる。
政府は半導体産業の強化策として、国内での製造拠点設立を支援する方針だ。しかし、本格的な効果が出るまでには数年かかるとみられる。



