エヌビディアの株価が急落し、時価総額が約4兆円(約280億ドル)減少した。この下落は、米政府が半導体の輸出規制を強化するとの観測が広がったことを受けたものだ。特に中国向けのAI半導体輸出が制限される可能性が指摘されている。
株価急落の背景
7月5日の取引で、エヌビディアの株価は一時6%以上下落。終値でも前日比5.5%安となった。この下落により、同社の時価総額は約4兆円減少し、約3兆2000億ドルとなった。市場関係者は「米政府が新たな規制を発表するとの憶測が広がったことが主因」と指摘する。
ブルームバーグの報道によると、米商務省は中国向けのAI半導体輸出をさらに厳しく制限する新たなルールを準備しているとされる。これにより、エヌビディアのデータセンター向けGPUである「H100」や「B200」などが規制対象となる可能性がある。
エヌビディアへの影響
エヌビディアの売上高の約20%は中国市場に依存している。同社のCFOは「中国向け輸出規制が強化されれば、短期的な業績に影響が出る可能性がある」と述べている。アナリストは「中国市場の縮小は避けられず、同社は他の市場での販売拡大を急ぐ必要がある」と分析する。
一方、エヌビディアのAI向けGPU需要は世界的に拡大しており、データセンター向け事業は前年比で倍増している。しかし、規制強化により、中国のAI企業がエヌビディア製品を入手できなくなることで、同社の成長率にブレーキがかかる可能性がある。
市場の反応と今後の見通し
このニュースは半導体株全体に影響を与え、フィラデルフィア半導体指数(SOX)も1.2%下落した。AMDやインテルなど他の半導体株も連れ安となった。市場では「規制強化は米半導体企業の収益を圧迫するリスクがある」との見方が広がっている。
エヌビディアの株価は今年に入ってから約150%上昇しており、時価総額は一時3兆ドルを超えていた。今回の下落は調整局面と見る向きもあるが、規制の行方次第ではさらなる下落もあり得る。投資家は今後の米政府の動向を注視している。



