AI向けGPU市場で両巨頭が新製品を発表
NVIDIAとAMDは、AI(人工知能)向けGPU(画像処理半導体)市場で激しい競争を繰り広げている。両社は2025年に向けて、それぞれ次世代のAIアクセラレーターを投入する計画を明らかにした。
NVIDIAは、現行の「Hopper」アーキテクチャに代わる次世代アーキテクチャ「Blackwell」を2025年に投入する。Blackwellは、AIトレーニングと推論の両方で大幅な性能向上を実現するとされ、特に大規模言語モデル(LLM)の処理に最適化される。一方、AMDは「CDNA 4」アーキテクチャを採用した「MI350」シリーズを2025年にリリースする。MI350は、前世代のMI300Xと比較して、AI性能で約2倍の向上を達成するとしている。
性能と電力効率の競争
両社の新製品は、性能だけでなく電力効率の改善も重要なポイントだ。NVIDIAのBlackwellは、TSMCの3nmプロセスを採用し、消費電力あたりの性能(性能対ワット)を従来比で最大2倍に引き上げる。AMDのMI350も、同様に3nmプロセスを採用し、電力効率を50%以上改善すると発表している。
市場調査会社のOmdiaによると、2024年のAI向けGPU市場はNVIDIAが約80%のシェアを占め、AMDは約10%と推定される。しかし、AMDはMI350の投入でシェア拡大を狙う。Omdiaのシニアアナリスト、佐藤健一氏は「AMDの新製品は、特にコストパフォーマンスに優れており、クラウド事業者やエンタープライズ向けで需要が拡大する可能性がある」と指摘する。
競争激化がもたらす影響
この競争は、AI市場全体にとってプラスに働くとみられる。両社の技術革新により、AI処理のコストが低下し、より多くの企業がAIを導入しやすくなる。また、ソフトウェアエコシステムの競争も活発化している。NVIDIAは「CUDA」、AMDは「ROCm」をそれぞれ強化し、開発者の囲い込みを図る。
一方で、供給制約のリスクも指摘される。TSMCの3nmプロセスは、AppleやQualcommなど他の主要顧客も需要を競っており、生産能力に限りがある。両社とも安定供給に向けて努力するとしているが、市場の需要に応えられるかは不透明だ。
アナリストの間では、2025年のAI向けGPU市場規模は前年比40%増の約800億ドルに達するとの予測もある。NVIDIAとAMDの競争は、この成長市場で主導権を握るための重要な局面を迎えている。



