東洋経済の最新記事:日本の半導体産業復活への道筋
東洋経済:半導体産業復活への道筋

日本の半導体産業が長い低迷を経て、復活の兆しを見せている。政府の積極的な支援と産学連携の強化により、先端半導体の国産化に向けた動きが加速している。特に注目されるのが、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場と、国産次世代半導体を目指すラピダスのプロジェクトだ。

TSMC熊本工場が本格稼働

TSMCの熊本工場は、2024年2月に開所式を開催し、年内にも本格稼働を開始する見込みだ。これは、日本政府が半導体の安定供給を確保するために総額約1.2兆円の補助金を投入したプロジェクトである。同工場は、22〜28ナノメートル世代の半導体を生産し、ソニーグループやデンソーなどの需要に対応する。さらに、第2工場の建設も検討されており、6ナノメートル世代への対応も視野に入れている。

ラピダス:国産2ナノ半導体への挑戦

一方、ラピダスは、2027年までの2ナノメートル世代半導体の量産開始を目指している。同社は、トヨタ自動車やソニーグループなど8社が出資し、政府も3300億円の補助金を決定した。ラピダスの小池淳義社長は、「日本の半導体産業復活の象徴となる」と語る。しかし、量産には巨額の投資と技術的な課題が山積しており、実現性には懐疑的な見方もある。

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産学連携と人材育成

半導体産業の復活には、人材育成が不可欠だ。東京大学や東北大学などは、半導体教育プログラムを強化し、企業との連携を深めている。また、経済産業省は、2024年度から半導体人材育成事業を開始し、年間1000人規模の専門人材育成を目指す。これにより、2030年までに約4万人の半導体人材が不足するという課題に対処する。

市場動向と今後の展望

世界の半導体市場は、2024年に約6000億ドル規模に達し、AIや自動運転、5Gなどの需要拡大により、今後も成長が続くと予想される。日本は、かつて世界シェア50%を誇ったが、現在は約10%に低下している。政府は、2030年までに国内半導体売上高を15兆円に引き上げる目標を掲げている。しかし、先端半導体の製造には巨額の投資が必要であり、持続可能なビジネスモデルの構築が課題となる。

日本の半導体産業復活は、単なる産業政策ではなく、経済安全保障の観点からも重要である。台湾有事など地政学的リスクが高まる中、国内での半導体生産能力確保は喫緊の課題となっている。今後の動向が注目される。

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