経済産業省は日本の半導体産業復活に向けた新たな戦略を策定した。官民連携により国内の生産基盤を強化し、2030年までに世界市場で約10兆円のシェア獲得を目指すという。この戦略では、先端半導体の製造技術開発や人材育成、さらにはサプライチェーンの強靭化に重点を置いている。
官民連携の具体策
経産省が掲げる新戦略の柱は、官民一体となった投資の拡大だ。具体的には、先端ロジック半導体の国産化を目指すラピダスへの支援を継続し、2027年の量産開始を目指す。また、パワー半導体やセンサーなど、成長が見込まれる分野でも国内生産を促進する。さらに、半導体設計や製造装置、材料など関連産業の競争力強化も図る。
人材育成と技術開発
半導体産業の復活には、技術者の確保が不可欠だ。経産省は大学や研究機関と連携し、半導体工学に特化した教育プログラムを拡充する。また、次世代半導体の研究開発を加速するため、産学官の連携プロジェクトを新たに立ち上げる。これにより、日本が強みを持つ材料や製造技術の分野で世界をリードすることを目指す。
サプライチェーンの強化
世界的な半導体不足を教訓に、サプライチェーンの強靭化も重要なテーマだ。経産省は海外依存度が高い先端半導体の国内生産を促進するとともに、災害や地政学リスクに備えた分散型の供給網を構築する。また、中小企業を含む国内サプライヤーの技術力向上を支援し、全体の底上げを図る。
この戦略の実現には、官民合わせて数兆円規模の投資が必要とされる。経産省は2024年度補正予算や2025年度予算で関連費用を確保し、民間企業の設備投資を促進する税制優遇措置も検討する。日本の半導体産業はかつて世界を席巻したが、近年は競争力を失っていた。今回の戦略は、再び世界市場で存在感を示すための布石となる。



