台湾の検察当局は20日、半導体製造世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)の元社員が、中国への漏洩を目的として機密情報を無断で複製したとして、国家安全法違反などの罪で起訴した。検察は元社員に対し、懲役7年を求刑する方針を示している。
事件の概要:TSMC元社員による機密文書の無断複製
検察の発表によると、元社員はTSMCの核心的重要技術や営業秘密に関する文書21件をコピーし、自宅に持ち帰った。この行為は2023年から2024年にかけて行われ、元社員は香港籍の男と共謀して中国に半導体関連企業を設立する計画を進めていた。文書の内容を研究した上で、中国で利用する意図があったとされる。
TSMCの対応と台湾当局の警戒
TSMCは内部調査を通じて元社員による無断複製を把握し、文書を回収した。同社は「捜査中の案件なのでコメントしない」としているが、厳格な情報管理体制で知られる。台湾当局は、香港籍の男が中国軍関係者の指示を受けていたとしている。今回の起訴は、中国への核心的重要技術の漏洩に関する初の事例となる。
頼清徳政権のスパイ警戒強化
頼清徳政権は中国のスパイ活動への警戒を強めており、現行の国家安全法では他国への流出を禁じる核心的重要技術として、国防科学技術、半導体、人工知能(AI)などの分野が指定されている。今回の事件は、半導体産業における技術流出防止の重要性を改めて浮き彫りにした。



