CATLの世界シェアが40%に迫る
中国の電気自動車(EV)用電池最大手、Contemporary Amperex Technology Co. Limited(CATL)の世界シェアが40%目前に迫っている。2023年の世界市場におけるCATLのシェアは約37%と推定され、前年の34%からさらに拡大。韓国のLGエナジーソリューション(約14%)やパナソニック(約8%)を大きく引き離し、独走状態が続いている。
CATLの躍進を支えているのは、中国政府のEV普及促進政策と、国内市場の急成長だ。中国は世界最大のEV市場であり、2023年の新車販売に占めるEVの割合は25%を超えた。CATLは、テスラやフォルクスワーゲン、BMWなど海外メーカーにも電池を供給しており、グローバルなプレゼンスを急速に高めている。
日本勢の苦戦とパナソニックの戦略
一方、日本の電池メーカーは苦戦を強いられている。パナソニックはテスラとの協業で知られるが、テスラがCATLやLGエナジーソリューションからも調達を始めたことで、相対的なシェアは低下傾向にある。パナソニックは、高エネルギー密度のリチウムイオン電池で差別化を図るが、コスト競争では中国勢に劣る。
他の日本勢では、GSユアサや東芝もEV用電池を手がけるが、存在感は限定的だ。日本の電池業界は、かつて世界をリードしたが、今や中国と韓国の後塵を拝している。その要因として、日本企業の慎重な投資姿勢や、政府の支援不足が指摘されている。
韓国勢の追撃と技術競争
韓国のLGエナジーソリューションとサムスンSDIも、シェア拡大に積極的だ。LGエナジーソリューションは、GMやフォードなど北米メーカーとの提携を強化し、2025年までに生産能力を現在の3倍に引き上げる計画。サムスンSDIは、BMWやアウディに供給し、プレミアムセグメントで存在感を示す。
技術面では、CATLがリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池でコスト優位性を確立しているのに対し、韓国勢は三元系(NCM)電池の高エネルギー密度を強みとする。しかし、CATLも三元系電池の開発を進めており、技術格差は縮まりつつある。
今後の展望と日本勢の活路
世界のEV電池市場は、2025年には約10兆円規模に拡大すると予測される。CATLの独走が続く中、日本勢が巻き返すには、全固体電池など次世代技術の実用化が鍵となる。パナソニックは、全固体電池の量産化を2020年代後半に目指すが、実用化にはまだ時間がかかる。
また、日本政府も電池産業の競争力強化に乗り出した。2023年に策定した「蓄電池産業戦略」では、2030年までに国内生産能力を現在の2倍に引き上げる目標を掲げる。しかし、中国や韓国に比べて支援規模は小さく、効果は未知数だ。
EVシフトの加速に伴い、電池の安定調達は自動車メーカーの生命線となる。日本勢は、技術革新と政府支援をてこに、巻き返しを図れるかどうかが問われている。



