味の素、半導体関連事業が利益の3割に成長も株価は割高か
味の素、半導体関連事業が利益の3割に成長も株価は割高か

味の素が手がける半導体パッケージ基板用の層間絶縁材料「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」が急成長を遂げている。同社はうま味調味料「味の素」やコーヒーの「ブレンディ」、冷凍ギョーザなどの食品メーカーとして広く知られているが、近年の業績を牽引しているのは食品ではなく、この半導体関連事業だ。

半導体の高機能化が追い風に

ABFは、うま味調味料の製造で培ったアミノ酸に関する技術を応用して事業化された。AI向け半導体の需要拡大を背景に急成長し、ABFを中心とするファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)事業の2025年度売上高は1007億円(前期比31.6%増)、事業利益は546億円(同35.8%増)に達した。これは全体の利益の3割を占めるまでに成長している。

こうした業績を受けて、味の素の株価は急騰。2020年3月のコロナショック安値813円から、2026年5月12日には上場来高値5739円を記録し、約6年で7倍に上昇した。市場では「半導体関連株」として認識されるようになり、株価は食品業界の平均を大きく上回る水準にある。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

食品業界で際立つ高PERの是非

しかし、株価の急騰に伴い、味の素のPER(株価収益率)は食品業界の平均を大きく上回る水準に達している。食品メーカーとしての事業基盤を持つ一方で、半導体関連事業の成長性が評価されているためだが、一部のアナリストからは「割高感がある」との指摘も出ている。

実際、味の素のABF事業は高成長を続けているものの、半導体市況の変動リスクや競合の台頭など、不透明な要素も存在する。食品事業の安定性と半導体事業の成長性のバランスをどう評価するかが、今後の株価の行方を左右しそうだ。

また、アメリカの高級スーパー最大手が味の素の冷凍食品を採用するなど、食品事業でも着実な進展が見られる。同社はABF事業の成長に加え、食品事業のグローバル展開も加速させており、両輪での成長戦略が描かれている。

味の素の株価が本当に割高なのか、それとも成長性を考慮すれば妥当なのか。投資家の間で議論が続いている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ