AIと自動運転、半導体覇権争いの新たな主戦場
AIと自動運転、半導体覇権争いの新たな主戦場

半導体業界において、AI(人工知能)や自動運転技術の急速な進展が、市場の勢力図を塗り替えつつある。従来は微細化競争が中心だったロジック半導体に代わり、データ処理や認識に不可欠なメモリ半導体やセンサーが新たな主戦場として浮上。各国企業が技術開発と投資を加速している。

メモリ半導体の需要急増

AIの学習や推論には膨大なデータ処理が必要であり、高性能なメモリ半導体が不可欠だ。特に、HBM(High Bandwidth Memory)やDDR5などの次世代メモリの需要が急拡大。韓国のサムスン電子やSKハイニックスが市場をリードする一方、日本企業も技術開発で巻き返しを図る。

「AI時代において、メモリ半導体の性能がシステム全体の効率を左右する」と業界関係者は指摘する。実際、AI向けサーバーでは、従来比で数倍のメモリ搭載量が必要とされ、市場規模は2025年までに1000億ドルを超えるとの予測もある。

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センサー技術の高度化

自動運転車の実用化には、周囲環境を正確に認識するセンサーが欠かせない。LiDAR(光検出と測距)、レーダー、カメラなどのセンサーは、高精度かつ低消費電力であることが求められる。特に、ソリッドステートLiDARの開発競争が激化しており、より小型で安価な製品の実現が期待されている。

「自動運転レベル4以上の実現には、センサー融合技術の進化が不可欠」と自動運転技術の専門家は語る。日本企業も、独自のセンサー技術で存在感を示そうとしている。

半導体製造装置の重要性

新たな半導体需要に対応するため、製造装置の高度化も急務だ。特に、先端ロジック半導体の製造に必要なEUV(極端紫外線)露光装置や、3D NANDフラッシュメモリの積層技術などが重要視されている。オランダのASMLがEUV装置で独占的な地位を築く中、日本企業も後工程装置や材料で強みを発揮する。

経済産業省は、半導体戦略の一環として、国内製造基盤の強化に乗り出している。2023年度補正予算では、半導体関連に約1.3兆円が計上され、先端技術の研究開発や生産設備の導入支援が進められている。

国際的な覇権争い

半導体を巡る国際競争は、技術開発からサプライチェーン構築まで多岐にわたる。米中対立の影響で、先端半導体の輸出規制が強化される中、各国は自国での生産能力確保に躍起だ。台湾のTSMCや韓国のサムスンが先端ロジックでリードする一方、日本はRapidus(ラピダス)を通じて次世代半導体の量産を目指す。

「半導体は国家戦略そのもの」と経済産業省の幹部は強調する。AIや自動運転など成長分野で覇権を握るため、各国政府の支援と企業の技術力が問われている。

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