5GとEV普及で加速する半導体需要の新潮流
5GとEV普及で加速する半導体需要の新潮流

5G通信と電気自動車(EV)の急速な普及が、半導体業界に新たな需要の波をもたらしている。特に車載半導体と通信用チップの需要は急増しており、これがサプライチェーン全体に大きな変革を迫っている。

5Gが牽引する半導体需要

5Gの普及に伴い、基地局や端末向けの半導体需要が拡大している。5Gでは高速大容量通信を実現するため、従来の4Gに比べて多くの半導体が必要となる。特に、高周波数帯に対応するRF(高周波)チップや、信号処理を担うベースバンドチップの需要が顕著だ。

EV革命がもたらす車載半導体の需要増

EVの普及も半導体需要を押し上げている。EVにはエンジン車の約2倍の半導体が搭載されると言われ、パワーマネジメントICやセンサー、マイコンなど多様なチップが必要だ。さらに、自動運転技術の進化により、車載カメラやLiDAR、AIプロセッサなどの需要も高まっている。

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こうした需要増は、半導体メーカーにとって大きなビジネスチャンスである一方、供給不足のリスクもはらんでいる。実際、2020年以降の世界的な半導体不足は、自動車産業に深刻な影響を与えた。この経験から、各社はサプライチェーンの強靭化に乗り出している。

半導体サプライチェーンの変革

従来、半導体の設計と製造は分業化が進んでいたが、近年は垂直統合の動きが強まっている。例えば、テスラは自社でAIチップを設計し、EVに搭載している。また、アップルもM1チップを自社設計し、MacやiPadに採用している。こうした動きは、半導体の重要性が増す中で、各企業が自社製品の差別化を図るために必要な戦略となっている。

一方、製造面では、TSMCやサムスン電子などのファウンドリー企業が存在感を増している。これらの企業は、先端プロセス技術を武器に、様々な半導体メーカーから製造を受託している。しかし、地政学的リスクを背景に、各国が自国での半導体製造を強化する動きも活発化している。

各国の半導体戦略

米国はCHIPS法を成立させ、半導体製造への補助金を拡充している。また、欧州連合も欧州半導体法案を策定し、域内での半導体生産能力向上を目指す。日本も、台湾のTSMCの熊本工場誘致や、ラピダスの設立など、半導体産業の復活に向けた取り組みを進めている。

こうした動きは、半導体の安定供給を確保するだけでなく、経済安全保障の観点からも重要だ。特に、5GやEVなど成長分野で必要とされる先端半導体の自給率向上が、各国の課題となっている。

半導体需要の拡大は今後も続くと予想される。5Gの本格普及やEVのさらなる普及、さらにはIoTやAIの進化により、半導体の重要性はますます高まるだろう。半導体業界は、需要増に対応するための投資と、サプライチェーンの強靭化を両立させることが求められている。

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