アジア・アジアパラ大会2026に向け、ボッチャ選手を含むパラアスリートからも選ばれる電動車いすが注目されている。ヤマハ発動機(静岡県磐田市)が開発する簡易型電動車いすは、高い操作性と軽量設計で、障害者の移動負担を軽減する。
車いす開発の経緯
手動車いすは介助者を必要としたり、自走に体力を消耗する欠点があった。一方、電動型は重量が課題だった。1989年、ヤマハ発動機は軽量で持ち運びやすい電動車いすの開発に着手。「障害者が社会や街中でより自由に移動できるための車いすを作ろう」と、ゼロから考え始めた。同社は電動アシスト自転車の開発実績を活かし、電動モーターの知見を応用した。
開発者の水谷浩幸さん(46)は2005年、二輪車大手の同社に「車いすの開発がしたい」という希望で入社した「変わり者」。二輪車の免許は持たないが、車いす開発一筋に歩んできた。
事業の再出発と技術革新
ヤマハ発動機は順調に事業を拡大したわけではない。2002年には採算が合わず事業を凍結。翌年復活したが、人員削減後の再スタートだった。水谷さんは再出発の2年後に入社した。
同社は車輪にモーターを内蔵するタイプを開発。モーターや電池などの電装品を中心に、車体は作らず後付け機器として提供する。小型軽量化のため、モーター内蔵ホイールを採用した。リチウムイオン電池の搭載で走行距離も大幅に向上。2025年の改良モデルではトルクを2倍に高めつつ、重量増は5%に抑え、最大耐荷重は160キロと前モデル比35キロ増加した。



