小型電動モビリティー新商品相次ぐ、免許返納の高齢者の「次の足」に
小型電動モビリティー新商品相次ぐ、免許返納の高齢者の足に

優れた環境性能や利便性、低コストに加え、免許返納者の「次の足」という特徴を打ち出す小型電動モビリティーの新商品が相次いで登場している。「クルマほど大きすぎず、バイクより安全」な都市の移動手段として注目される。

国交省が普及を推進

小型電動モビリティーは、国土交通省が「超小型モビリティ」という名で定義しており、大きさや出力に応じて「第一種原動機付自転車、軽自動車(型式指定車)、軽自動車(認定車)」という3つの区分で一般車や本来の軽自動車と区別される。同省は、ガソリン車の約6分の1といわれるエネルギー消費効率や、二酸化炭素(CO2)や大気汚染物質を排出しない特性から、普及をすすめている。

「和製電動トゥクトゥク」も新商品も相次いで登場している。西川精機製作所(東京都江戸川区)が12月に販売を始める「Blue Jay(ブルージェー)」は、電動キックボードなどと同じ特定小型原動機付自転車扱いで、全長1.9メートル、横幅0.6メートルとコンパクトなのが特徴だ。ハンドルで車のように操作でき、16歳以上であれば免許不要で乗れる。

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免許返納したアクティブシニアが主なターゲット

免許返納したアクティブシニアをメインターゲットとし、買い物、病院、役所などへの移動用途を想定する。今後、自治体と連携して利用者の拡大を図る予定だ。価格は約50万円。

「Lean3(リーンスリー)」(約170万円)は、リーンモビリティ(愛知県豊田市)が台湾企業と共同開発し、カー用品大手「オートバックス」を展開するオートバックスセブンが販売する1人乗りの3輪モビリティー。第一種原動機付自転車(ミニカー)にあたる。都市部での近距離移動や原付バイクからの乗り換え、営業業務などでの使用を見込む。販売計画は非公表だが、オートバックス店舗を通じて販売していく予定だ。

トゥクトゥクモデルの3輪車も

バブル(神奈川県伊勢原市)の「VIVEL TRIKE(ビベルトライク)」(88万円)は2024年の発売から26年7月まででシリーズ累計500台以上を販売している。タイの庶民の足として知られる「トゥクトゥク」をモデルにした3輪車を日本仕様に開発した。側車付軽二輪(要普通自動車免許)の区分にあたり、全長2.26メートル、幅約1メートルで3人まで乗れる。車検は不要。高齢者の外出支援や、公共交通が手薄な地域の足として普及を狙う。

矢野経済研究所の2025年の推計によると、国内の超小型モビリティーの新車販売台数は、2035年には最大で年間10万2100台まで増加すると予測されている。小型電動モビリティーが注目される背景には、維持費の増加や高齢化による免許返納といった、自動車利用者を取り巻く状況の変化がある。

維持費の増加と免許返納の増加

共同通信の家計データ分析によれば、自動車の維持にかかる費用は40年間で大きく増えている。道府県庁所在地と東京都区部の計47都市のうち23都市では、2025年までの5年間の平均支出額が1985~89年の2倍を超えた。全国平均は1.86倍で、月9092円から1万6891円に上がった。近年のガソリン代や部品代、保険支出額の上昇といった複合的な要因によるものとみられる。

小型電動モビリティーの自動車税は、原付ミニカー区分であれば、多くの自治体で年額3700円前後と普通自動車の約7分の1で済む。駐車場も場所によっては車より安いバイク用を使うことができる。

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警察庁によると、2025年に運転免許証が自主返納された件数は前年比7153件増の43万5067件と2年連続で増加した。このうち75歳以上の返納は4001件減の26万915件と全体の約6割を占める。各社は免許返納後の高齢者の需要が見込めるとして、多くが免許不要の小型電動モビリティーを次の移動手段の選択肢に勧めている。