NECは2023年7月6日、AI(人工知能)を活用したインフラ監視システム「インフラヘルスモニタリング」を自治体向けに提供開始すると発表した。このシステムは、カメラやセンサーから得られたデータをAIが分析し、河川の水位上昇や道路のひび割れなどの異常を早期に検知する。自治体はこれにより、災害発生時の迅速な対応やインフラの維持管理コスト削減が期待できる。
システムの概要と特長
本システムは、既存の監視カメラや新たに設置するセンサーから映像や数値データを収集。AIがディープラーニング技術を用いて異常パターンを学習し、正常時との差異を検出する。例えば、河川監視では水位の急激な上昇や流木の流出を、道路監視では路面のひび割れや陥没を自動で検知。検知結果はダッシュボードにリアルタイム表示され、担当者に通知される。
NECの担当者は「このシステムにより、自治体の職員が24時間監視する必要がなくなり、人的リソースを他の業務に振り向けられる。また、異常の早期発見によって被害を最小限に抑えられる」と述べている。
導入効果と今後の展開
NECは、本システムの導入により、自治体のインフラ管理業務の効率化と災害対応力の向上を目指す。同社は既に複数の自治体と実証実験を実施しており、その結果をもとにシステムの精度を高めてきた。今後は、全国の自治体への展開を進めるとともに、他のインフラ分野への応用も検討している。
具体的な料金体系は非公表だが、クラウド型で提供されるため、初期投資を抑えられるという。また、自治体の規模やニーズに応じてカスタマイズ可能なオプションも用意する予定だ。
背景と市場動向
近年、老朽化するインフラの維持管理が全国的な課題となっている。国土交通省の調査によると、全国の橋梁やトンネルなどのインフラの約半数が、建設後50年以上経過している。これに加えて、気候変動による豪雨災害の増加もあり、自治体は限られた予算と人員で効率的にインフラを管理する必要に迫られている。AIを活用した監視システムは、こうした課題解決の切り札として期待されている。
NECは、自治体向けのICTソリューションを多数提供しており、今回のシステムもその一環。同社は「安全・安心なまちづくりに貢献する」としている。



