マツダのオープンカー「ロードスター」の現行型(4代目、ND型)が、発売から10年を経て販売台数が過去最高を記録し、特に20代女性のオーナーが急増している。2026年9月上旬に発売予定の改良モデルに関する説明会で、販売実態や改良内容が明らかになった。
販売台数が10年目で過去最高に
初代(NA)から3代目(NC)までは発売初年度から2年目に販売台数のピークを迎えたが、ND型は発売から10年目の2025年に初の年間1万台を突破し、過去最高の販売実績を達成した。マツダ国内ブランドビジネス統括本部の神田篤氏は、「7年目以降に990Sや大幅商品改良、35周年記念車といった注目モデルを立て続けに導入できたことが要因」と分析する。
NDロードスターの販売実績の約7割を40代以上が占める一方、若年層(20代)の販売台数は2020年から2025年までの6年間で約2倍に増加。さらに20代女性に絞ると、2020年の56台から2025年には291台と約5倍に伸長し、若い女性ユーザーからの支持が急速に拡大している。
20代女性購入者への調査では、ロードスターのイメージとして「おしゃれ」「軽快」「運転を楽しめる」がセグメント平均より突出。購入後の満足点としては「リセールの良さ」「デザイン」「運転のしやすさ」「スタイルや外観」が挙げられた。
改良モデルの主な変更点
マツダ車両開発本部ロードスター主査の齋藤茂樹氏は、改良のポイントとして「特別仕様車PS(ピュアスポーツ)の導入」「走りの進化と車外騒音規制への対応」「新色ジンクグリーンメタリック」の3つを挙げる。
特別仕様車「PS」
「PS」は走りに特化したモデルで、価格は366.3万円~。台数や販売期間に制限はなく、カタログモデルとして継続販売される。エクステリアはグレーのソフトトップを採用し、レイズ製16インチアルミホイールをブラック塗装に変更。ブレンボ製ディスクキャリパーを新規設定した。インテリアはSスペシャルをベースに、エアコンダイヤルやルーバーリングをブラック化し、エクステリアと統一感のあるデザインとした。
走りの進化と規制対応
走りの進化では、マツダスピリットレーシングの開発技術を応用。前後サスペンションのスプリングレートを高める一方、ビルシュタイン製ダンパーの減衰力を下げ、ロール剛性を高めながら乗り心地を改善。加速応答改善制御やヒール&トゥアシスト制御も採用し、リニアで意のままに操れる走行性能を追求した。
車外騒音規制フェーズ3に対応するため、静音タイヤ開発、吸気系の改良、サイレンサーの大型化を実施。さらに吸気音と排気音の音色をチューニングし、インダクションエンハンサーを標準化することで、定常走行時の静粛性を高めつつ加速時のサウンドを楽しめる仕様とした。
新色「ジンクグリーンメタリック」
待望のグリーン系ボディカラーがND型で初採用された。デザイン本部CMFデザイナーの瀬能海翔氏は、防錆塗料「ジンククロメートプライマー」の色や質感から着想を得たと説明。ブルーマイカを少量混ぜ、青みを帯びた色相にすることで都市でも自然でも映えるクールな印象に仕上げた。
ロードスターはNA型のネオグリーンやブリティッシュレーシンググリーンなど、グリーン系が定番カラーだったが、魂動デザイン採用後は緑系がなかった。瀬能氏は「一押しコーディネーションはPSだが、スポーツタン内装のVセレクションなど他グレードでも選べる。Vセレクションは往年のVスペシャルを彷彿とさせる緑とタンの組み合わせ」と語る。



