オーストラリアのSaaS企業で勤務していた松木省吾氏は、ある日突然、所属部署の廃止とともに解雇を言い渡された。しかし、その後の数週間で次の職を得ることができた背景には、人類学的な「あたり前」への理解があったという。
突然の解雇通告と人類学の視点
「今日で仕事を辞めてもらいます。17時までに退職の準備をしてください。」――これは、実際に松木氏が勤務していた会社で伝えられた言葉だ。人事部の責任者に呼ばれ会議室に入ると、所属していた部署が無くなり、メンバー全員がその日中に解雇になることを告げられた。
海外で働いていると、事業の方針転換や縮小に伴う整理解雇を身近で目にすることがある。最近ではAIの活用も整理解雇の要因となっており、海外の企業ではキャリアの中で一度は経験するものになっている印象さえある。
海外と日本の「あたり前」の違い
海外で働く場合、整理解雇以外にも日本と異なる点が存在する。成果主義で成果が上がらない社員が定期的に退職を迫られることや、残業している社員がおらず終業時間前でもオフィスから退社する人もいるなど、会社の業種や職種を問わずわかりやすい違いがある。
日本で働いた経験がある方は、海外で働く際の習慣や「あたり前」としていることの「違い」に驚くかもしれない。
人類学が教えるコミュニケーション技術
松木氏は、ケニアのマサイ族とのフィールドワークを経て人類学を学び、日本・オーストラリアの企業で営業として働いてきた。新刊『職場は未知の民族であふれてる』では、人類学を職場や日常のコミュニケーションに使える実践技術として紹介している。
人類学とは、自分とは違う習慣や「あたり前」を持つ人々を理解する学問だ。海外で働いていると日本では出会わない出来事に出会うことがあるが、そんな時、人類学の考えを使い難局を乗り越えることができると説く。



